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[Necro Boy] 登場人物紹介 (4)
- 2006/08/30(Wed) -
[Necro Boy]




名前:リシェット・グリーグ・エストラッド

性別:女

魔導属性:緑

補足説明:彼女は、人間では無く、エルフと言う種族で、見た目だけでは人間と区別が付かない。
魔導とは別に、エルフだけが持ち得る不思議な力を使え、木々などと会話が出来る。
エルフは、元々森などと共に、営んで来た為に、森の事を良く知っており、普段人間が遭遇しない生き物とも会話が出来る。

その力が、魔導の起源とされて後世へ口伝えされているが、詳しい事は、不明である。

コメント:当初、男老人として、設定されておりましたが、やむ終えず女になってしまいました。
ゲルドリックとは、過去の因縁的な繋がりで登場したリシェットですが、今後の彼女の能力が期待出来ると思います。


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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (12)
- 2006/08/29(Tue) -

                +

 横へ側転しながら糸を引っ張り出して動き回るセグナ。
 粘液を垂らしながら、地べたを這いずりセグナの方へ向かう物体。
 セグナは、その物体から距離を取る様に、かわしながら応対している。
「チッ、何なんだ。一体これはよぉ!?」
 愚痴を零し、右腕を押さえながら、追い掛けて来る物体に追い回され、苦戦を強いられているセグナだった。
 その一部始終を傍観している物が一人。セグナとの戦闘を開始して、一歩も動く事無く立っているリシェット。
「フフフッ!貴方の戦い方を見せてもらうわよ」
 リシェットは、微笑を浮かべ、楽しそうに呟く。
 粘液を出しながらセグナを追い掛ける物体は、体長40センチはあろう大きなナメクジの様な形をしている。
 セグナとの戦闘開始時に、リシェットが空中に文字を描いたその文字がリシェットの周りを回り始め、形を変えてこの大きなナメクジの様な生き物を召喚したのだった。
 リシェットが召喚した大きなナメクジが現れると共に、セグナへ向かって行くのに対して、直ぐ様、糸に魔導を通して、それに対応したセグナだったが、この時、セグナは、リシェットの召喚した大きなナメクジの様な生き物を少し甘く見ていたのだった。
 セグナは、自らの魔導を糸に通して、自分へ襲い掛かって来る生き物を縛り上げ、そのまま糸ごと発火させる算段だった。それで、事は足りるとセグナ自身思っていた。
 案の定。その生き物を自らの糸で縛り上げ、発火させ、セグナの思惑通りに事が運ぶかに見えたその時だった。
 ナメクジの様な大きな生き物は、セグナが放った炎に包まれ、暫くは狂い悶えるが如く暴れ始めたのだが、その生き物から、黄緑色の液体が弾け飛んだのだ。
 燃え盛る生き物は、力尽きたのか、そのままセグナの炎に焼かれる様に蒸発するが、弾け飛んで、その場に残った黄緑色の液体が、さっきセグナが炎で仕留めた筈の大きなナメクジの様な生き物へと姿を変えて行くのだった。
 その光景に呆気に取られてしまったセグナは、新たにナメクジの様な姿に変貌した生き物の口と思われる所から、何かが飛ばされた物に反応し切れず、右腕に受けてしまったのだった。
 セグナは、咄嗟に右腕に飛ばされた物を左手で払い落とそうとしたが、右腕に付いた物が液体だと言う事に触ってから気づいた。
 ナメクジの様な生き物から放たれた液体は、セグナの服に浸透すると、セグナが顔を歪めたのだ。
 それは、服に浸透した液体が肌に触れた為、焼ける様な痛みがセグナを襲ったのだ。
 しかし、その痛みを感じている時間は無く、直ぐにその得体の知れない生き物から距離を取る事にしたセグナだった。
 セグナは今もその得体の知れない生き物と距離を取りながら、動き回っている。
 また、消化液の様な物を受けてしまう事を避ける為である。
「何か、打開策は………」
 走りながら呟くセグナだった。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (11)
- 2006/08/26(Sat) -

今度は、晴美の眼を見て晴美の質問に対して正面から向き合うゲルドリック。
「実はな……、俺は、魔導使いでありながら、この3ヶ月余り、平和な日常に慣れ親しんで魔導使いとしての勘が鈍ったのか、敵の魔導使いにポータルを盗まれたんだ」
「えっ!?ポータルって、リックが前に説明してくれたエネルギーの源とか言う………」
 ゲルドリックに眼を合わせながら、確認する様に話す。
「ああ。そうだ。魔導使いとして、一番大切なそれを敵に奪われた。完全に油断した」
「じゃあ……、ポータルは、壊されてしまったの?」
 晴美は、恐る恐るその質問を聞いてみた。
「いや、その可能性は、極めて低いと思う。ポータルには独自の仕掛けがしてあるし、それに、相手はどうやらポータルよりも俺自身に屈辱を与える事が目的らしい」
 ギッ、と歯を強く噛み合わせ、晴美に事情を説明しながら自分の魔導使いとしての不甲斐なさを痛感するゲルドリックだった。
「リックに屈辱を与えるって………」
 晴美の頭に中には、不穏で、不吉とさえ思えるほどの、ある人物の名前が浮かび上がる。
「幸いな事に、その人物は〝ロビエラ〟ではない」
 晴美の表情を察したゲルドリックは、直ぐにそう切り替えした。
「えっ?じゃあ誰なの?リックをそこまで屈辱を与えたい人って」
「グリーグ族と言う、エルフだ。過去に我々の一族とある事件が起きて、それ以来、因縁的な対立関係があってな。もっとも、それは俺も生まれていない昔の話なのだが……」
「それは、リックとは直接関係の無い事でしょ?何でリックが恨まれなきゃいけないのよ!おかしいじゃない。そんなの」
「いや、これはパーンの名を引き継いだ者の宿命だよ。パーン一族のな」
「パーン?」
 晴美は聞きなれない言葉で疑問になる。
「ん?ああ。俺の正式な名前は、ゲルドリック・ルナ・パーン。パーン一族は生粋の〝ネクロマンサー〟だ」
 何所か誇らしく思えるほどに言うゲルドリック。
「リックのフルネーム初めて聞いた」
「そう言えばそうだったな」
 ゲルドリックの名前が聞けて、少し笑顔になるが、正直、晴美自身あまり掛けたくの無い言葉を発する。
「……やっぱり、それはどうしても避けられない事なんでしょ?」
「ああ。俺はこれからそいつの所へ向かわなければならない」
 晴美はこの時、ゲルドリックがそう答えると分かっていた。ゲルドリックの事が心配だが、その心配によってゲルドリックの足を引っ張る事は出来ないと思った。
「あの……、私、家で待ってる」
 ゲルドリックに強い視線を向けて言った。それが精一杯の言葉。
「ああ。心配するな。必ず無事に戻ってくるから。それと、一つ頼み事を頼まれてくれないか?」
「えっ!?」
 不意なゲルドリックの頼みに眼を丸くする晴美。
「俺を信じて、待っててくれ。俺の帰りを待ってくれるのは、晴美だけだろ?」
 ゲルドリックは、晴美の頭を優しく撫でながら呟いた。
「うん!分かった」
 少し不安が薄れる様に、若干ではあるが、ゲルドリックに対して明るい表情を見せる。
 その後、ゲルドリックは、玄関に向かい、再び晴美の家を後にしようとする。
「行ってらっしゃい。本当に気をつけてね!」
 ゲルドリックは、ああ。と晴美に一度振り返ってから、目的の場所に向かった。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (10)
- 2006/08/24(Thu) -


                 +
 
 かなり険しい顔を保ちながら、晴美の家の前まで戻って来たゲルドリック。
 リシェットに受けた金縛りの後遺症である痺れが治るや否や、直ぐに、〝占いの館・心の道しるべ〟の店長である藤森俊介に事情を説明して、店を後にしたのである。
 バイト先からの帰り道、ずっと、エルフ族である、グリーグ一族の事が頭から離れないく、物思いに耽っていた。
「ただいま」
 当り前の様に言葉を発するゲルドリックだったが、考え事をしていた為か、少しトーンの低い声だった。
「あっ!リックお帰り。あれ?今日は、ちょっと帰ってくるのが早過ぎるんじゃない?」
 ゲルドリックの声に反応して、部屋から出てきた晴美。
「ああ。今日は、ちょっと変わった事情が出来たからなぁ。それで、急遽、切り上げて来たのさ」
 そう言って、ゲルドリックは、自分の部屋へ入って行く。
「変わった事情って?」
 顔を傾けて、ゲルドリックの後を追いながら、問い掛ける。
「バイト先に、除霊の依頼の電話が掛って来たんだ。それがな、何でも体が不自由な人らしくて、お店に来れないから、こっちから出張と言う形で、出向く事になった」
 ゲルドリックは、ハンガーに掛けられたマントを取って、羽織りながら、晴美にそう答えた。
「本当に?」
 晴美は、真っ直ぐにゲルドリックの表情を見つめる。
「……ああ。そうだ」
 自然に答えるゲルドリック。
「嘘。私に気を遣わない様にって、何か隠してるでしょ?」
 晴美は、何かを確信した様に、ゲルドリックに対して、強い口調で問う。
「晴美。どうしたんだ一体?」
 晴美の様子がおかしい事に気づいて、問い返す。
「さっき、リックが言ってた事が本当だったら、何で、マントを着る必要があるの?それに、帰って来てから私に顔を逸らして、表情が何処となく暗いし。やっぱりまた、リックと同じ様な魔術使いの所へ行くんでしょ?それ以外に、私に隠す理由が無いもの!」
 晴美は、半ば興奮気味に、自分が思っている事を口にする。
「ああ。晴美。わかった。分かったから落ち着いてくれ。そして、本当の事を話すからちゃんと聞いてくれ。別に隠すつもりじゃ無かったんだが、ついな……」
 ゲルドリックは、晴美の肩に手を乗せて、興奮した晴美の感情を宥める様に落ち着かせる。
 晴美は、ゲルドリックのその言葉で、気を落ち着かせ、改めてゲルドリックに問い掛ける事にした。
「一体、何があったの?」
 それは、最初から仕切り直しの質問だった。 
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遅ればせながら・・・
- 2006/08/23(Wed) -
残暑お見舞い申し上げます~☆

最近も、とにかく暑い毎日です!

色々と、ブログ散歩してみますと、残暑見舞いの記事を結構書かれていた方が多く、出遅れてはいけないと思いまして、私も何か出し物をと、一枚即席で、描かせて頂きました。




暑い夏に負けるな!と言う私のイメージで、こんな構図になりました。

セグナが、ボクサーと言うなんとも男らしさをかもし出していて、余計暑苦しくも御座います(^^;)

まだまだ暑さは続きますが、皆様も引き続き暑さにご注意下さいませ!


Kikurageでした~♪
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (9)
- 2006/08/22(Tue) -


「………」
 双方。相手を観察する様に、終始、沈黙な睨み合いが続き、張り詰めた空気になる。
 セグナは、左腕の甲から糸を引っ張り出した、咄嗟の行動に何時でも対応出来る様な体勢を維持し、一方。リシェットは、威圧的な眼付の鋭さをセグナに向けているが、特別、構えを取っておらず、唯、右手から腕に掛けて、緑白い魔導を発動させているだけで、体に力を入れている訳でも無く、だらりとしていて、構えとは、程遠い位の姿勢を保っている。
 リシェットは、殺気さえ感じさせる眼付きを早々に解き、全く緊張感の無い両手を広げたポーズで、話を切り出す。
「どちら様かしら?私は、貴方を存じ上げません。攻撃を仕掛ける相手を、お間違いでは?」
 落ち着いた、態度を見せるリシェット。
 それに対して、眉を顰め、不満げな顔をするセグナが、言葉を発する。
「俺だって、あんたは知らねぇ。だがな、俺の知っている〝ある奴〟の魔導が、あんたから感じるんだが、これは、どう説明してくれるんだ?どう考えても不自然だろ?だからこうして、追って来たって訳さ」
 セグナは、更に鋭く眼付きを細める。
「へ~。貴方、ゲルドリックの知り合いなの?……それとも、ゲルドリックを狙ってる敵なのかしら?まぁ、どちらにしても、私には、関係の無い事ですので、お引取り願いましょうか」
 リシェットは、自分とは無関係な人物の介入を拒む様に、あしらう。
「ああ。あんたとゲルドリックの間で何があったのかは、知らねぇ。直接関係無いと言っちゃ、関係無いが、俺は、あんたの敵である事は確かだぜ?」
 セグナは、リシェットに対して、どうする?と言う様な挑発的な態度に出る。
「貴方も分からない人ね。此処で私と貴方が争って、何のメリットがあると言うの?魔導エネルギーの無駄使いは、あまり好まなくてよ」
「あんたが持ってるそれは、ゲルドリックのポータルだろ?力尽くでも、あんたからその真相を聞きだす。それだけで、十分だ!」
 お互いに意見も対立した形になり、再び、空気が張り詰めた。
「貴方に、何を言っても無駄な様ね。………良いわ。貴方が、争う事でしか、解決方法を知らないと言うのならば、それに合わせてあげる」
 埒の明かない状況に、溜め息を吐きながら、仕方なさげに答えるリシェット。
「分かってもらえて、助かるぜ!エルフは、〝平穏〟を好み、〝温厚〟な性格と聞くからなぁ」
 そう言うと、セグナは、自らの魔導を発動させる。
「事情も知らずに、人を挑発して置いて、よく言うわね。貴方、〝ラフェリッド〟(物理強化)なのね。その強引で荒っぽい性格。納得したわ!」
 右手を高く翳し、魔導を本格的に発動させ、構えを取り始めた。
「そう言えば、今まで、エルフと対峙した事ねぇなぁ。エルフであるあんたの〝クレックフォジェルク〟(召喚魔術)を拝見させてもらうぜ!」
 其々が出す、赤白い魔導と、緑白い魔導が、夜で薄暗い中を灯す。
 リシェットが、空中に右手人差し指で、何か、文字のような物を書き始め、空中に書かれた文字は、リシェットの緑白い魔導の色で、空中に残る。
 セグナは、相手の能力が把握出来ないと、自分から仕掛けられない為、リシェットの行動を注意深く観察する。
 空中に浮いた緑白い文字は、さっきの光の粒と同じ様に、リシェットの周りを回り始め、段々と形を変えて行く―――。

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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (8)
- 2006/08/20(Sun) -



                 2


 時刻は、午後の6時近く。
 辺りは既に、暗くなり、冷たい風が吹き抜け、不規則に点滅する頼り無い街路灯に当てられながら、薄暗い道を静かに歩く影が一つ。
 長い髪を風になびかせて、ゲルドリックから奪い取ったポータルを、左手で眼の高さまで持ち上げ、眺めている。
「………ふ~ん。ポータルを守る為に魔導をコーティングしてる訳では無いのね」
 リシェットは、右手もポータルに添えて、観察し始める。
「ポータルの中から、張り裂けそうな位、凄い魔導を感じるわね。物理的にも魔導でも無理やり破壊をしようとすると、ポータルの中から厄介なものが出てくると言った所かしら。それを押さえる為のコーティング………。念の入った仕掛けをするわね。まあ、この位、魔導士として、当然だけど」
 一人で関心する様に呟き、ポータルを持ちながら歩くと、周りが、木で囲まれた、公園の入り口らしき所をそのまま進むリシェット。
 周りは既に、木々で覆われているものの、公園の散歩コースとして、しっかりとアスファルトで舗装された幅の広い道が一本、真っ直ぐに公園の奥へと続いている。
 リシェットは、その道を急に横切って、地面一面が、緑の芝生になっている所を踏み入れ、尚も歩く。
 暫く歩くと、目の前に、一際大きい樹が聳え立っている。
 その樹の前に立つと、リシェットは、手で樹に触れて、眼を閉じる。

「―――イルトゥルップ・フラウィン・エノムァ―――」

 リシェットが、口で何かを発音すると、突然、リシェットが触れている部分の周りが、淡々とした白い光を帯び始めた。そして、その光は、一つ一つ小さな粒になり、眩いほどに、光の強さを増し、リシェットを中心に回りだす。
「貴方の、声を聞かせて………」
 リシェットは、樹に対して話し掛ける様に、呟いた。
 すると、リシェットの周りで、規則的に回っている光の粒が、リシェットの話し掛けに反応して、不規則な軌道を描きながら、強く点滅する。
「………そう。答えてくれて、ありがとう」
 それで、気が済んだのか、リシェットは、その樹から手を離す。
 すると、今まで光っていた、光の粒が同時に消える。
 その時だった。リシェットの方向目掛けて、火に包まれた細くて長い物が、飛んで来る。
「!!?」
 リシェットは、その自分へ飛んで来る物の方向へ振り向き、右手から、緑白い魔導を発動させ、即座に自分へ飛んで来るそれを、叩き落とした。
「へ~。てめーは、エルフだったのか!エルフ古語を生で聞いたのは、初めてだぜ!」
 頭には、何十にも巻いた鉢巻。左目下には、トレンドマークと言える、タトゥー。右手首辺りから、糸を引きずり出す姿の男が一人立っていた。
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母親の言動的ニヤピン!
- 2006/08/18(Fri) -

私の母親は、良く雰囲気で言葉を憶えているのか、
当たらずとも、遠からず的な発言をします。

たとえば・・・

 母「あっ!そうそう、アイスのダーゲンハッツ買って来て!」

私の心境:あっ、何か文字が入れ替わってる;


これは、最近なのですが・・・

ゲド戦記の事を思い出そうとして、母から出た言葉・・・

 母「あっ!そうそう、江戸千家面白そうね!」

私の心境:あっ、おしい。ニュアンスは、合ってる。て言うか、「江戸千家」それはそれで、とても気になる題名。



そんな感じの毎日です。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (7)
- 2006/08/17(Thu) -

リシェットがこの場を去り、暫くして、ゲルドリックが、やっと身動きが取れる位に痺れが治まった。
「リシェット・グリーグ・エストラッド………」
 ゲルドリックは、自分の顎を手で擦りながら、おそらくエルフ族であろう彼女の名前を静かに呟いた。
 ゲルドリックは、昔、自分の父親から聞かされた、忌まわしき過去の出来事を想い出す。


 ―――それは、まだゲルドリックが、魔導を使い始めた幼い頃。
 そんな時、不意に、父親が、パーン家の魔導使い達の経緯を語り始めた。
「良いか、ゲルドリック。我々、そう、代々パーン家は、死者や、その魂の憎悪や呪いを操る、黒魔導の能力を得意として来た、〝ネクロマンサー〟の一族だ」
「うん。知ってるよ」
 幾ら幼いとは言え、パーン家で、育った、ゲルドリックには、雰囲気で直ぐにそれは分かっていたのだ。
「しかし、世間では、この能力を忌み嫌いして、良く思わなく、排除したがる人達もいる。それは全て、我々、先代の人達の過ちに原因がある」
「過ちぃ?」
「ゲルドリックよ。前に話した、自然界の5大魔導元素色を憶えているか?」
「うん!えーっと、まず自分が使ってる黒が、闇と呪い。赤が、火と活力。青が、風と水。緑が、森と幻精霊。えーとー、あとは……白が、太陽と神聖域?」
「そうだ。その5種類の魔導が存在する。我々もその一つだ。この中で、我々とは正反対の性質の魔導元素色はどれだ?」
「……白?」
「正解だ。白魔導を使う人達からすれば、我々は、とても邪魔な存在だ。それは、こちらとしても同じ。大昔は対抗色問わず、争う事無くお互いの特別な力を持った者同士が補い合って、繁栄してきた。だが、世界中が便利で豊かになり、生活水準も良くなってきた近年、魔導を生活の為に使う必要性が無くなってきてしまったが為に、魔導を悪用しようと考え始めた者達が現れた。それぞれの魔導士達は、まず自分の魔導に対抗する能力を持った者達をお互いに犬猿し始め、それによって、いざこざも起こり、時には戦争じみた争いまで起こり死者が出るまで発展して行った。それが、魔導抗争時代。それを境に、今まで築いてきた、魔導士の共存共栄のバランスが、一気に崩れてしまった。その、魔導を悪用しようと考え始めた者達が、魔導抗争時代と言う、悲惨な過ちを生んでしまったのだ」
「………」
 父親から語られる内容に、沈黙するしかないゲルドリック。
「我々に関わる重要な出来事は、この後だ。さっきも話したが、我々にとって、一番厄介な存在。すなわち、白の魔導使いだが、その者達が、黒い魔導を使う、我々パーン一族を目障りに思い、行動に出たのだ。白魔導士達は、我々と正面からの争いを避けて、我々と繋がりが深く、交友関係にあった、緑の魔導使いである、グリーグ一族との仲を断とうと、グリーグ一族に、パーン一族が魔導界の征服を企んでいると、嘘を吹き込んで、切り崩しに出たのだ。グリーグ一族は、その白魔導使い達の言葉を鵜呑みにしてしまい、我々パーン一族と、グリーグ一族の前面戦争が起こってしまった。その戦いは結局、我々パーン一族が制圧した形で終わったが、もともと争う必要が無い無駄な戦いだった。その戦いを、最後まで高みの見物気取りで、様子を見ていたのは、白魔導使い達だったのだ。後から分かった事だが、実際に、魔導界の征服を企んでいたのは、白魔導使い達だったようだ。現在では、ほぼ、白魔導使い達が魔導界の征服を完成させつつある。……ゲルドリックよ。この様な痛ましい過ちを繰り返さない為にも、この事実を確りと憶えておくんだぞ。良いな?」
「………うん。分かった」
 ゲルドリックの返事に、軽く頭を摩る父親だった―――。
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[Necro Boy] 特製Tシャツ!!
- 2006/08/17(Thu) -
こんばんは!

なんと!?[Necro Boy]特製Tシャツを作ってしまいました(ただ、絵を印刷してプリントしただけですが・・・)

060817_0034~01.jpg


なんともこう言う事が、好きな私です(^^;)

3枚ほど、作ってしまいましたので、
もし、欲しいと言う方がいらっしゃいましたら、
シークレットコメントで、名乗り出て頂ければ、幸いです。
Kikurage直筆サイン付きで、プレゼントさせて頂きます。
サイズは、XLと大きめですが、飾るのも宜しいかと・・(オイオイ

多分無いとは思いますが、3名様以上コメントがあった場合、

厳選なる抽選とさせて頂きます。

ではでは(^0^)ノシ

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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (6)
- 2006/08/15(Tue) -
 

それは、至極当り前の様な口振りだった。
「……つまり、あんたに従えって事か」
 金縛りに耐えるのも、かなり体力を必要としている為、ゲルドリックは、顔から汗を掻き始める。
「そういう事。やっと理解してくれて嬉しいわ。でないと、話が前に進まないもの」
 体を動けなくされ、ポータルも奪われ、既にゲルドリックが従わざるおえない状況だった。
「お前の、望みは何だ!」
 力を込めて、全身の体を震わせながら、叫ぶゲルドリック。
「望み?望みと要求は、別物だわ。私が貴方に要求したいのは、効率の良い戦いの場よ。そうねぇ……」
 女性は、顎の下に手を当てて、暫く考えた後、再び話し出す。
「この街から、少し西へ向かった所に、草木が沢山ある雑木林があったわよね。たしか、やすらぎの森自然公園と言う所だったかしら?」
「……その場所へ…向かえば……良いんだな」
 金縛りに耐えるのも、もう限界が近いのか、話す言葉まで、途切れ途切れになってしまっている。
 女性は、ゲルドリックのポータルを眺めながら、言う。
「ええ、そしたら、貴方のこのポータルを無傷で返してあげるわ。その時にね」
「俺は……、お前……を知らない。何故……、俺の明かした事のない名前を知っている……」
 ゲルドリック自身、一番疑問に思っている部分を、その女性にぶつける。
「貴方個人に、身に憶え無くても、私……いえ、私達には、あるの。貴方達、パーン一族に対しての因縁が!」
「………」
 ゲルドリックは、何も言わず、唯、眼を細める。
「貴方も、全く知らないとは、言わせないわ!私の名は、リシェット・エストラッド。そして、隠し名は、〝グリーグ〟よ」
 女性は、自分の名を、自ら打ち明けた。
 隠し名を聞いて、ゲルドリックは、自分に対するこの仕打ちを納得した。
「お前は……エルフだったのか!」
 リシェットは、自分から話す事が無くなったのか、踵を返して、部屋の出口に向かう。
 そして、出口の前で足を止め、ゲルドリックへ振り返る。
「そうそう。私の望みを貴方に言ってなかったわね。私の望みは、パーン一族の魔導使いである貴方を、自分が魔導使いである事を後悔する位の苦痛を味わってもらう事」




 リシェットは、不適な笑みを溢し、ゲルドリックとって、残酷な事を何の躊躇いも無く発した。
 パチン、と指を鳴らして、ゲルドリックのを取り巻く木の精霊を解くリシェット。しかし、金縛りの影響で、痺れが残っている為、満足に動く事が出来ない。
「その痺れが治ったら、私の指定した場所に来なさい。そこで待ってるわ!」
 女性は、フフッ、と小さく笑いながら、部屋を出て行く。
 ゲルドリックは、力強く拳を握り締める事しか出来なかった。 
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皆さんは、絵画に興味御座いますか?
- 2006/08/14(Mon) -

私的には、本当に珍しく日記を書かせて頂いております。

さて、皆様は、絵画に興味御座いますか?

私は、5年前からある画家の絵がとても気に入っております。

その画家とは!?

ずばり、アルフォンス・ミュシャです。

ゴッホやダリの様に普通の絵画ではなく、主に、看板画やポスター画などを手掛けてきた人です。

ミュシャの中世的な絵が、とても気に入っております。

最近では、伊藤園のコーヒーのパッケージにも使われていたりしますね。

時間があれば、何処かで、ミュシャのポスターを探して、部屋に飾りたいと思っている私です。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (5)
- 2006/08/13(Sun) -


「お願いします!その為に来ましたから……」
 女性は、ゲルドリックに託す様に言う。
「分かりました。では、始めます!」
 すると、ゲルドリックの手先に集中していた魔導が、女性の周りを包み、その原因とされる霊らしき物が現れ、ゲルドリックへと吸い込まれる様に消えた。
「終わりましたよ………」
 と言った途端、ゲルドリックは、金縛りに掛かったかの様に全く動けなくなってしまった。
「……クッ!?」
 必死で動けなくなった体を動かそうとするゲルドリックだが、体が言う事を利いてくれない。
「フフフッ。いくら足掻いても、無駄よ!」
 急に、女性の口調が、妖しい物に変わる。
「!!!………お、お前……はッ」
 ようやく、眼の前に居る女性が、敵である事を認識するゲルドリック。
「貴方が、私の体から吸い取った物は、呪いとか、悪霊の類ではないわ。木々達の精霊の一部よ。完全に油断したわね。ゲルドリック・ルナ・パーン!」
 ゲルドリックは、女性の言葉に反応して驚く。
「何ィッ……!?」
 女性は、不適な笑みを溢しながら話し出す。
「フッ。驚くのも無理ないわ。貴方と直接お会いするのは、初めてですもの。でもね、私は前から……そう、あのお祭りの日、ビルの屋上で貴方がおぞましいほどの魔導を放っていたのを感じ、そして、見ていたの。戦いの様をずっとね」
 と、語りながら、ゲルドリックのポータルを強引に奪い取り、それを眺める。
「き、貴様ぁ。……何者だ!」
 金縛りに掛かりながらも、何とか動かそうと、全身震わせながら必死に問う。しかし、女性はゲルドリックの問い掛けに耳を傾ける訳も無く、ポータルを見入っている。
「へぇ~。流石ね。素人と違って、ちゃんとポータルを魔導で、コーティングしてるなんてね。このまま破壊しようと思ったけど、これじゃ無理そうね」
 女性に全く、がっかりする様な仕草が無く、むしろ、ゲルドリックを嗜んでいる様な雰囲気さえ感じさせる。
「……その、ポータルをどうする気だ」
「その心配は、しなくても良いわ。私がちゃんと預かってあげる」
 ゲルドリックは、眼を細めて再び聞き返す。
「それは、どう言う意味だ?」
 女性は、首を横に振り、溜め息を漏らしながら答える。
「此処で、貴方と争って、一般人に被害が出たらまずいのは、貴方の方じゃなくて?それに、こんな狭い所。私には向かないわ」
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (4)
- 2006/08/11(Fri) -


「ウィップス!良かれと思って書いたんだけどなぁ~」
 仕方なさ気に、ゲルドリックから突っ返された看板を受け取る。
「看板は、書き直し希望でお願いします。私は、自分の持ち場に行きます」
 ゲルドリックは、そう言うと、藤森が指定した部屋に向かう。
 その部屋は、丁度、4畳半位の広さで、薄暗く、部屋の中心に、青い布が掛けられた台と、自分とお客さんが座る為の椅子が二つ、既にセットされている。
「それじゃ、始めるか!」
 すると、ゲルドリックは、徐に自分の胸の中を探りながら、ポータルを取り出し、自分で持ってきたクッションを台の上に置き、更にそのクッションの上にポータルを置いた。
「よし!準備完了!」
 ゲルドリックの言葉と同時に、ドアを二回ほどノックする音が聞こえる。
「中へどうぞ!」
 早速、お客さんと判断して、言葉で招くゲルドリック。
 ドアを開けて、そっと入って来たのは、いかにも、何かを思い詰めていそうな姿の女性だった。
「どうぞ。こちらへお座りください」
 再度、手招きをして、お客さんを誘導する。
「あっ、はい。有難う御座います」
 女性は、そう言うと、静かに椅子へ腰掛けた。
「今日は、どうなさいましたか?あなたのお悩みを私に聞かせて下さい」
 その女性は、ゲルドリックの問い掛けに答える様に話し始めた。
「………実は、除霊をして貰いたいと言いますか、私に霊的な物が取り憑いていないか、見てもらいたいのです」
「ふむ。なるほど」
「原因は、おそらく半年前の夏だと思うのですが、友人とその友達と4人で、肝試しに行くことになりまして、山奥の湖近くにある貯水池へ行きました。そこは、自殺の名所らしいと言う噂を聞いていたのですが、その時の私は、霊的な物を含めて、全く信じていませんでした。森の中を歩いて、途中、祠の様な物が在りましたけど、薄気味悪いだけで、別に何事も無く、肝試しを終えたのです。でも、肝試しを終えて友人とも別れて一人で家に帰ってから、異変が起こり始めたのです。それから時々、寝る始める時に、雨が降っていないにも関わらず、しとしとと、雨音が聞こえたり、子供なのか女性なのか判らない様なすすり泣く声が聞こえたりするのです。今になっても、それは時々聞こえて来ます。友人に相談したのですが、解決の意図が見出せませんでした。それで、2、3日前に、その友人から、必ず解決してくれると噂の除霊師が居ると、聞いて、此処に来ました」
 女性は、手短に今までの事を話し終わると、両手で自分の腕を掴みながら、小刻みに震えている。
「今のお話で、大体の事が分かりました。では、頭を少し前に出して頂けますか?」
「えっ!あっ、はい」
 女性は、ゲルドリックの指示に従う
「これから、あなたの中に霊が取り憑いているか、見てみます」
 ゲルドリックは、片方の手で、ポータルに触れ、もう片方の手で女性の頭に翳し始め、魔導を発動させる。
 当然、女性には魔導が見えない為、普通に頭の上に手を乗せられている様にしか見えない。
「ええ、あなたが、言っていた通りの子供の霊を感じます。これから、それを取り除きますが、宜しいですか?」
 女性の頭に手を翳しながら、確認を取る。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (3)
- 2006/08/09(Wed) -


ゲルドリックがアルバイトに向かい、家は、晴美一人になる。
「今日も、聞けなかったな……。て言うより、聞けないよね………」
 晴美は、一人で俯きながら呟く。
 晴美には、ゲルドリックに対して、気掛な事が一つだけ有った。それは、3ヶ月前、セグナのお見舞いの帰りに、ゲルドリック自身が、発した言葉だった。

『―――俺もまた、セグナと同じ運命だからな』

 セグナから残酷な過去の話を聞いてしまった晴美は、ゲルドリックの言葉の意味が瞬時に分かってしまったのだった。
 それは、晴美にとって直接的な関係は無いが、それ以来、晴美は、ゲルドリックを見ていると、とてもショックで、悲しくて、辛く胸を締め付けられるのだった。

                +

 ゲルドリックは、晴美の家を出て、駅の商店街を抜けて、駅前に並んでそびえ立つビルの一つ、〝占いの館・心の道しるべ〟に入って行く。
 中は、天上、壁、床すべて青一色で統一された長い廊下が続いていて、途中、個室のドアが幾つも設置されていて、此処で働く占い師達の部屋が設けられている。
 ゲルドリックは、一番奥のスタッフルームへと向かい、そのスタッフルームのドアを開ける。
「ウェイ!遅いじゃな~い。待ってたよぉ~」
 ゲルドリックがスタッフルームを入室して早々、此処の経営者である藤森俊介が、出会い頭に、ゲルドリックの肩を軽く叩く。
「どうもです!藤森さん。今日は、どこの部屋が空いてるんですか?」
 唐突に、空き部屋を確認するゲルドリック。
 このお店で働く占い師達は、きっちり決ったシフト制では無く、一日ずつ予約をして、部屋を確保する登録制である為に、固定とした部屋が持てない。
 本来なら、予約で直ぐに部屋が埋まってしまう所だが、お客さんからのゲルドリックの人気と経営者である藤森俊介の計らいで、時間が不定期なゲルドリックの為に、常に何処か一部屋を空けているのだった。
「おッ!心配しなくでも、ちゃんと一番手前の部屋を取って置いてあるよん。あっ!そうそう、ドアのフックに掛ける、君専用の看板が完成したよ!」
 と、事務机から四角い板をゲルドリックに渡す藤森。
 ゲルドリックは、その看板に書いてある事を確認する。〝ブラックエナジー・除霊始めました!〟
「ふ、藤森さん。」
「おッ!?」
「この看板の下の方に書かれている、除霊始めましたって………」
「良いんじゃないのぉ~!君の所に来るお客さんは8割方、除霊を求めるお客さんじゃないかぁ~」
「いやいや、これじゃまるで、ラーメン屋さんの、冷やし中華始めました。みたいじゃないですか!」
 藤森のセンスに、少々焦り始めるゲルドリックだった。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (2)
- 2006/08/06(Sun) -


ゲルドリックは、白状する様に話し始めた。
「………実は、此間、バイト帰りに大王と言うラーメン屋に立ち寄ってみたんだ」
「大王って、家から近い所ね」
「ああ。そこで、ラーメンを注文しようとしたんだが、日本人特有の麺を啜ると言う行為が、俺は出来んからな。どうしようか、考えている時たまたま隣に、ラーメンでは無い物を食べている奴が居て、そいつに聞いてみたんだ。それは何だ?とな。そしたら、えっ?チャーハンです。と答えたから、お店の人にチャーハンを注文したんだ。そして、持ち前の観察力で、作る工程を凝視してた訳さ!」
「見様見真似しただけで、このチャーハンを作ったの?」
「そうだ!」
 断言するゲルドリックに対して、晴美は正直、ぞっとした。
「あ、味を見てみるね」
 晴美は、チャーハンをすくったスプーンを口へ運び、良く吟味する。
「どうだ?」
 相当、自信が無いのか、晴美の様子を窺うゲルドリック。
「………お、美味しい。美味しいよ、リック!」
「ホントか!?」
「始めて作った物とは、とても思えない位、美味しいよ!」
 晴美は、笑顔とは裏腹に、自分の作る物より遥かに美味しい物を見様見真似で作ってしまうゲルドリックを、少し妬ましく思ってしまった。
「良かった。不味かったら、全部俺が処分しようと、思ってたんだ。観察した物は、間違えでは無かった様だ。よし!食おう」
 
 晴美の学校の話題とかの話を交えながら、食事は進み、あっと言う間に二人は食べ終えてしまった。
「リック!後片付けは、私がやるから、バイトの準備して良いよ」
「おっ、すまない」
「ご馳走してもらったんだし、これ位やらせてよ。それより、今のバイト、リック忙しいんでしょ?早く行った方が良いよ」
「ああ。そうするよ。この前みたいに、バイト先の藤森さんから、すがる様な催促される電話は、御免だからな」
「藤森さん喜んでたよ。リックが働き始めてから、大盛況だって。紹介した私も鼻が高いわよ」
「本当に、占い師兼除霊師のバイトは、名案だと思うよ。バンダナしていても、怪しまれないし。ポータルを水晶代わりに台の上へ置いとくだけで良いんだからな。除霊はお手の物だし、占いは、誘導的な質問をして、持ち前の観察力で、相手の心理状況を探る訳だ」
「私も結構考えたんだからね。御礼してよね」
 そう言いながら、悪戯っぽく笑う晴美。
「ありがとな。じゃあ、俺は、行くよ」
 もう、仕度は済んでいるゲルドリックは、真っ先に玄関へ向かう。
「行ってらっしゃい。気を付けてね」
 晴美に、分かった。と告げて、玄関を後にするゲルドリックだった。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (1)
- 2006/08/04(Fri) -
             
             
             自然共存を求む者


                1


 ガチャッ!晴美が、学校から帰って来て家の玄関のドアを開ける。
「ただいまぁ~」
 開口一番に、帰宅を知らせる晴美。
「おっ!帰ったか。お帰り」
 エプロンをしながら台所に立ち、料理をしているゲルドリックの姿が有った。
 もう、ゲルドリックが晴美の所に居候し始めて、早3ヶ月。
 既に晴美は、ゲルドリックを家族の様に扱っている。
「あれ?リック。今日は、まだバイト行かないの?」
 気になって、不意に尋ねる晴美。
「ああ。今日は、ちょっと遅めだから大丈夫。それより今、晴美の分も飯作ってるんだけど、食べるだろ?」
 と、フライパンを左右に揺らしながら、ゲルドリッくは答える。
「へぇ~。何作ってるの?見せて見せてぇ!」
 すると、晴美は、学校の鞄を床に置いて台所に入り、興味津々な面持ちでフライパンの中を覗き込む。
「そんな、大した物では無いぞ」
「あっ!チャーハンだぁ」
 しゃもじで、ご飯を掻き混ぜるゲルドリックが、晴美にはとても新鮮に思えた。
「気になって、作ってみたんだ。言っておくが、味の保障はしないぞ」
 ニヤケ顔で、香り付けに醤油をちょっと垂らしながらコンロの火を止め、軽く晴美に忠告する。
「うん。分かったぁ~。じゃあ、私、服着替えてくるね」
 そう言って、晴美は、自分の部屋に向かう。
「ああ。お皿によそって、テーブルに並べとくよ。着替えたら、直ぐ飯だ!」
「うん!」
 ゲルドリックはご飯を食べる準備に取り掛かり、晴美は、服を着替える為に、部屋には入って行った。

 食卓へ二人が揃うのに5分と掛からなかった。
「うわぁ~、美味しそう」
 見た目は、ニンジンとタマネギとピーマンがご飯に混ざり合った、至ってシンプルなチャーハンではあるが、ご飯の一粒一粒が綺麗に光っている。
「いや、褒めるのは、味を見てからの方が良いと思うぞ」
 徐に、不安がるゲルドリック。
「リック。やけに、自信がないじゃない?」
「見様見真似で、初めてだからな!」
「はい?………どう言う事?」
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[Necro Boy] 番外編 ~excess short story~ 1
- 2006/08/02(Wed) -
 キ~ンコ~ンカ~ンコ~~ン!
 今日の最後の授業終了の合図と共に、周りの生徒は、どっと安堵の気持ちで落ち着いているが、私はその逆で、その合図と共に緊張感がこみ上げてきて、心臓の鼓動が速くなっていた。
 私の名前は、笹倉晴美。
 何故私が、この様な状況に陥ってしまったかと言うと、原因は、隣のクラスの私の親友とも言える、椎凪(しいなぎ)潤子のせい……いや、正確には、先日、潤子からのお祭りのお誘いメールを、すっぽかした……いや、もとい。ある事情でメールを返せなかった事にある。
 後日、素直にその事をメールでお詫びの内容を潤子に送った所、うん。大丈夫だよ。気にして無いから。また、誘うね。と言うメールが返って来たのだ。
 一見、普通の返事に見える文章だが、私は彼女との付き合いが長い為、直ぐに悟る物があった。
 文章に、絵文字が一つも無いのだ。
 彼女は、必ず文章の語尾に絵文字を付ける性格で、絵文字を付け忘れると言う事は、まず有り得ないのだ。
 もし、絵文字を入れないとすれば、それは彼女自身が怒ってる時に他ならない。
 そう言う理由で、私は潤子と出会い頭に、どんな風に突っ込まれるか正直怖く、緊張している。
 しかも、潤子は今日、学校に来ていない。機嫌の悪い時は、学校を休む事が多い。 
 しかし、あの潤子の事だから、平気で校内をうろついているとも限らない。非常にまずい。
 私は、終わりのホームルームが行われている内に、急いで教科書、参考書、筆記用具などを鞄の中へ仕舞い、いつでも素早く帰れる準備をした。
「………うむ。明日の連絡事項は、以上だ。日直さん。号令を頼む」
 先生のお話も終わり、後は号令だけ。
「起立。礼。」
 全員が、有難う御座いました。と揃えて頭を下げる。私もそれに合わせるが、少しフライング気味にその場を離れた。
 自分のクラスのドアに背中をピッタリ付けて、外の廊下を注意深く左右振り向きながら、潤子が居ないか観察する。
 周りから見たその光景は、おそらく刑事ドラマのワンシーンを想わせる様な、格好であろうか。
「晴美!何してるの?」
 私は、思わず肩をビクつかせ、背後で呼び掛けられて驚いてしまった。
 咄嗟に、呼び掛けられた方向へ振り向く。
「ビックリしたぁ~。ゆいちゃんだったんだ」
 良く考えると、流石の潤子も、クラスい居る訳が無い。
「???」
 ゆいちゃんは、私の直ぐ隣の席で、クラスの中では、割と仲の良い方である。しかし彼女は、私の取っている行動が理解出来ない様で、不思議な顔で私を見ている。
「あっ、うんとね、今蜂が跳んでたみたいだったから、避けてたの」
「えっ!?蜂!何処何処?」
 自分の身の回りに、蜂が居ないかと気にし始めたゆいちゃんだった。
「ゆいちゃん。大丈夫。蜂は向こうの方に行ったみたい」
 咄嗟に嘘を付いた私も罪悪感を感じて、廊下の窓の方に指を指して、ゆいちゃんを安心させる。
「はぁ~。良かったぁ~」
 ゆいちゃんは、溜め息をして、終始安心した顔をしている。
 そんな、ゆいちゃんを見て私は安らいでいる場合では無かった。
「私、今急いでるから。また明日ね!」
 私は、ゆいちゃんに手を振りながら、その場を後にした。

 3階から1階へと、階段を一気に下りきって、すぐさま下駄箱まで移動。
 教室から出て、此処までの移動時間、約五十秒。今は、どうでも良いけど、おそらく自己ベストである。
 自分の下駄箱に上履きを置いて、靴を出し、そしてそれを素早く履く。
 後は、昇降口を出て、正門まで走るだけである。あそこまで出れば、流石に潤子が学校に居たとしても、私をまだ学校に居ると思って、見付けられない筈………
「よし!急ごう!」
 私は、自分に発破を掛ける様に呟いた。
 一気に、清々しい午後の風と陽射しを浴びながら正門まで駆け出す。
 後、20メートル、15、10、5………
「はぁ、はぁ、はぁ、やっと正門を越えたぁ~!」
 何となく達成感が有った。
「うん。お疲れぇ~!」
「ありがとぉ~って、……あれ?潤子?」
 正門の入り口の柱に背中を預ける潤子がそこに居る。
 嫌な罪悪感と緊張感が頂点に達した。
「晴美ぃ~~~、あんたは、あまい。この私から逃れようなんて、あま過ぎる!」
 腕を組みながら、何かを感じ取った様に頷く潤子。
「やっぱり、あまいわよ晴美。しかも晴美の行動は、予想通りだったし」
「まさか、校門で待ち伏せてるとは………」
 私は、授業が終わって今までの行動が無駄だったと頭で理解した途端、どっと力が抜けて、膝と手のひらを地面に着ける。
「そんな、晴美のあまい所を見れたので、これから、私と一緒に、甘い物食べに行こう!」
 出た!潤子の十八番、甘い物。
 潤子は、私以上に甘い物には目が無く、別腹とも言うのだろうか、とにかく良く食べる。って言うか、私の財布の中身の危機!
「潤子。私、家にかえっ……」
「よし!行こう~~~!」
 私の言葉が潤子の掛け声に掻き消された。ついでに、私の腕まで引っ張ってるし。
 そんな潤子の強制的な行動に逆らえず、私も一緒に、行く事に……いや、連行させる事になった。

                 +

 あれやこれや潤子と会話する事、十五分。
 気が付けば、目の前は、商店街の一角、潤子と私の行き付けのクレープ屋の前。
「ついたぁ~」
 潤子は、とても嬉しそう。そんな潤子の笑顔を見るのが、私は好きだったりする。
「晴美!ジャ~ンケ~ンポイ!」
 潤子の咄嗟な掛け声に、つい、手が動いてしまう。
 私は、パーで、潤子は、チョキ。私の負けである。
「晴美ぃ~。いつも最初にパーを出す癖、直さないと、いつまでも私に勝てないよ」
 潤子の言う通り、私は意識してないのに、何故か、パーを出す癖が有るのである。
「で、このジャンケンは、何の意味が有るの?」
 私は、素朴な疑問を潤子にぶつけてみた。
「奢り決定~~!」
 満面な笑みを浮べる潤子だった。
「そんなぁ~」
「良いじゃない。これで、ボイコットの件は、チャラにしてあげるんだから」
「ボイコットって人聞きの悪い。全然違うじゃない!」
「私が誘って、返事無しにすっぽかされたの初めてだったし~~、何よりショックだった」
「う、うん。ごめん。ちゃんと反省してる。でも、あの時は、色々事情があって……」
「事情……?あっ、まさか、晴美あんた!」
 潤子は、私に顔を近付ける。
「えっ、潤子。何?」
 私は、何か嫌な予感がした。
「男でしょ?」
 出た!潤子の十八番、男話し。
 私は、何故か男と聞いてリックが頭に浮んでしまった。
 そんな関係じゃないのに、意識すると、ちょっと顔が熱くなって来た。まずい。
「晴美ぃ~、何で顔背けるの。目が泳いでるし!」
「ほ、本当にそんなんじゃないから。第一、仮にそうだとしても、私が潤子に隠すわけ無いでしょ!」
 精一杯の言い訳をしてみる。
「あ~や~し~い~」
 ニヤつきながら私に言う。
 ええい、最後の手段!
「あっ、それ以上疑うとクレープ奢らなぁ~い」
「えっ!嫌だ。もう問い詰めないから、それだけは許して!」
 男の話より甘い物の方が大事らしい……。でも、おかげで助かった。
「店長スペシャルくださ~い!」
 このクレープ屋、メニューには無い、お得意様の為だけに存在するものがあった。それは、イチゴ、バナナ、ミカン、他にも色々と具が入っている。店長自ら作ると言う特注品。
 値段も、普通の3倍!
「潤子~~~、何頼んでるのよ!私はてっきり普通のかと………」
「えっ?もう頼んじゃったよ!」
 そんな笑顔で言われても……
 めでたく、特注品の店長スペシャルは潤子の手に納まった。
 
               +

 私と、潤子はクレープを食べ終わり、そのまま帰る事にした。
 帰り道、不意に、潤子から言葉を切り出す。
「ねぇ、友達ってどう言う事なのかな?」
「何よ。行き成り」
「私さ、人懐っこい性格でしょ。だから、学校で色んな人と親しく話すじゃん!」
「そうね。潤子は、フレンドリーだもんね。自分には無い部分だから、羨ましいよ」
「でもさ、他の人と話すと、大概その人に合わせちゃうから、疲れちゃったりするんだよね。それってさ、うわべだけで、本当の友達とは違う気がするんだ」
 そんな、何処か寂しげな様子の潤子を見るのは、珍しいと言うより、初めての事かもしれない。
「本当に、どうしたの?急に」
 私は、少し心配になった。
「ん?別にどうもしないよ。だって目の前に、一緒に笑ったり、喧嘩したり、泣いたり、励まし合ったり出来る、本当の自分の気持ちをぶつけ合える友達が居るんだから」

「えっ!?」

「―――晴美。私達、これからもずっと、親友だよ!」

 潤子は、左手で、ピースのポーズを取り、少し笑う。
 私は、潤子に対して、嬉しさのあまり、満面な笑みを浮かべ、一言だけ返事をする。

「うん!」






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