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読み切り短編小説 ―――ライラック―――
- 2006/12/31(Sun) -


―――今まで過去に認識してきた不安定な記憶と、安定した時間で流れる現実。―――


―――あなたは………、どちらを信じますか………?―――




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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (49)
- 2006/12/28(Thu) -

「グォッ…、グッ…!」
 ガガジーの容赦の無い連続した噛み付きが始まった。
 今は、成す術も無く耐えるしかないゲルドリックは、震える程、体に力を入れ構えたままの体制を保っている。
「ソードスパイダーを召喚するのではなく、初めからこの様な効率的な方法で彼方を徹底的に叩くべきだったわ」
 手先を器用に動かし、妖精を操りながらゲルドリックに話し掛けるリシェット。
「!?」
 くらっと、咄嗟に立ちくらみの様な感覚に襲われたリシェット。直ぐに頭を押さえ自分の身に何が起きたのか、周りの状況を見回した。
 そして、自分の足元をみる。するとそれは、リシェットが気付かぬ間に、ゲルドリックが放った黒い地面に沈んでいたのだった。
 即ち、リシェットが立ち眩みを起こしたのではなく、底なし沼よりもゆっくりと沈んで行く状態に足を取られ、バランスを失った為であった。
「なッ、そんな筈は……?」
 リシェットが驚くのも無理はなかった。
 リシェットは、先程からシャーマンと言う特殊な力を発動したいたが、その力は主に外的な要因(魔導をも含む)から、身を守る為の保護術である。
 そのシャーマンの特殊な保護術を身に纏っていた為、ゲルドリックの放った魔導術には、あまり危機感を懐いていなかったのであった。
「シャーマンの力に頼り過ぎたなリシェットッ!この毒された沼地……、いや、暗黒の土地と言っても良いだろう。この地に足を踏み入れたならば、どんな対抗術を持ってしても例外なく無効化するのだ。この地で反映されるのは、黒魔導の性質を持った術のみだ!」
 ゲルドリックは、静かにこの時を待っていたかの様なタイミングで、リシェットに言い放った。
 今まで、圧倒的に有利な展開で運んでいた為に、何処か勝ち誇っていたのだろう。余裕とも言える笑みから一転、ゲルドリックの放った予期せぬ魔導術にまんまと嵌ってしまって、引き攣る顔に変ってしまったリシェットだった。
 自分の足を沼地の様な暗黒の地から引き抜こうとするが、重心を片方に掛けると重心を掛けた方がより深く嵌まって行く。
 完全にリシェットの両足は暗黒の土地に囚われ、身動きさえ困難になっていた。
 おまけに、暗黒の土地に嵌ったリシェットは、当然の事、魔導は暗黒の土地に影響され無効化された為に魔導力供給が途絶え、ゲルドリックへ攻撃を仕掛けているガガジーは、姿を消し、光眩い閃光をスポットライトの様に照らしている妖精もガガジーに合わせる様に、消えて行った。
 ゲルドリックは、ガガジーに所々食い千切られてはいるが、幸い、どの傷も然程深くは無く致命傷には至ら無かった。
「こんな筈では……、この私が、こんな所で終わる筈が……」
 既にリシェットは、腰の辺りまで沈んでしまっている。全て覆されたゲルドリックとリシェットの場の状況に、信じられないと言いたげな顔でリシェットは、唖然とする。
「この様な形で幕を下ろすのは、全く本意ではないが、お前のその異常なまでの俺に対する感情は危険すぎる。よって、暗黒の土地の中で果てしない更に大きな苦しみ、悲しみ、恨み、妬みをその身に受けるが良い。さすれば、いずれ無に返る事が出来よう………」
 そこに笑みは無く、今までリシェットに対して見せた事の無い冷たい表情。
「私は、お前を許さない…。そして、こんな形で終わる事を認めない……。私の懐いて来た恨みは、こんな物では無いぃぃ!」
 半狂乱になりながら、必死で叫び上げるリシェットは、物凄い形相で、恨みの篭った言葉をゲルドリックに言い放って、暗黒の土地へと沈んで行った。
 決着が着いたが、ゲルドリックは安堵の息を吐くことは無く、リシェットの沈む様を無表情で見届けていた。
 辺り一面に広がっていた暗黒の土地は、ゲルドリックの合図と共にゆっくりと閉じて行く―――。 
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (48)
- 2006/12/27(Wed) -

ガガジー達の移動は、とても早い。体の色を無視すれば、本当に影である。
 ゲルドリックが、防衛手段として、左手で一匹のガガジーを対象として黒炎を放ち、放たれた黒炎は、真っ直ぐな軌道でガガジーへと向うが、ガガジーは避け様ともしない。
 当然の如く、ガガジーへヒットするかに見えた黒炎は、ガガジーの体を透き通った。
「チッ!やはり無効かッ……!」
 半分予想していた通りの結果に、舌打ちをするゲルドリック。
 そんな現状を目の当たりにしても、その場から離れようとせずに留まっている。
 そう。彼は動かないのではない。その場から動けない理由があるのだ。
 ゲルドリックは既に、地面に放たれた魔導術を放っている。その場から離れると言う事は、その魔導術を不完全のまま切り捨てると言う事なのである。
 当然ゲルドリックは、限りある魔導エネルギーを、そんな無駄にする事はしない。魔導術を放った以上、有効活用するのが魔導使いの鉄則だからであった。
 そもそも、この現状を切り抜ける上で、ゲルドリックの心配しているのは、直接ガガジーに対してではない。
 ガガジーの何らかの影響を受けて、自分が放った魔導術の失敗する事を、大いに恐れているのだった。
 ガガジーは、2匹ともゲルドリックを通り過ぎる。
 意外なガガジーの行動に、いつ、どの様な形で襲って来るのか分からない不安を抱えながら、顔を顰める。
「恐怖を味わうのは、これからよ。ゲルドリック!」
 リシェットの声に、ガガジーを眼で追っていたゲルドリックが向き直った。
「!!?」
 その瞬間、リシェットは再び、先程ゲルドリックへ向けて放った光眩い閃光を放つ妖精を出現させたのだった。
 咄嗟に腕で、直接妖精の閃光を視界に入れない様に眼を覆うゲルドリック。
「さっきのカビは、彼方には効かなかった様だけど、これはどうかしらね?」
 宙に浮かぶ妖精は、真っ直ぐにゲルドリックへと空間を滑走しだした。
「また、俺に対して眼暗ましのつもりか?もしそうなら、同じ手は……!?」
 話している途中で、肩から刺す様な激痛に駆られるゲルドリック。直ぐにその肩へ触れて見ると、掌に血が付いていた。
 ゲルドリックの肩は、完全に怪我を負っている。しかし、直接ガガジーや妖精からは攻撃を受けた気配や形跡が全く無く、非常に奇怪。
「グァッ!!」
 今度は、脚に激痛が走り、思わず声を上げた。
 激痛のする箇所をを見下ろすと、肩と同じで、既に膝上辺りに怪我を負っていて、ゲルドリックは傷口の形を確認する。
 すると、その傷口は、千切られた様な後が残っていた。
 そして、ゲルドリックは、何かに気付くと、ガガジーの方向へ眼を向ける。
 そこのは、ゲルドリックの頭上に浮く妖精の閃光が、まるでスポットライトを浴びているかの様にくっきりと長く伸びるゲルドリックの影を映し出していた。
 くっきりと地面に映し出されたゲルドリックの影を狙って、ガガジーが噛み付かんばかりの体勢を構えていたのであった。
 リシェットの妖精とガガジー。それぞれの特性を生かした高度な攻撃手法。
 ゲルドリックと同様に、リシェットも又、効率良く計算された魔導術を高度に駆使出来る逸材であった。







なかなか、ゲルドリックの攻めに転じれない展開ですので、そろそろゲルドリックに花を持たせて上げたい私です(>_<;)
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2006年にByeByeバトンっす!
- 2006/12/25(Mon) -
こんばんは。Merry X'masです!


何かと、肝心な小説の方を更新できていないKikurageです。

その事を踏まえまして、早くも来年の抱負は、小説のペースアップと言う事で決まりそうです!

そして有り難い事に、kazu osinoさんからバトンを頂きましたので、今日は、バトンと言う事で宜しくお願い致しますm(_ _)mペコリ


2006年にBye-Byeバトン

★年齢をどうぞ★

えっと・・・・、ストレートに行きます。24歳です。

★職業をどうぞ★

自営業(サーターアンダギーと言う沖縄のお菓子を製造&販売)

★カウントダウンはどこで誰とする★

多分、家で孤独に「行く年、来る年」をみながら、窓ガラスの向こう側を黄昏顔で見ている気が致します(笑)

それか、悪友と一緒に初詣?

★正月の楽しみといえば★

我が家に封印されているポータル…、いや、もとい。久保田・萬寿の開放(栓を開ける)して、がぶ飲み(*^▽^*)ウィッ!
全然正月でもなくても行けますね;

★お雑煮は吸い物派?味噌汁派?★

家では、味噌ベースです。はい。
でも、お吸い物の方が、繊細な味が楽しめますので、好きかも!

★もちは四角派?丸派?★

割合的に、8対2で四角いお餅を頂いております。
そう言えば今年は、お餅を食べる機会が非常に多かったとです。
からびもちが好きですね。

★今年HAPPYだった出来事ベスト3は★

1.やはり、FC2ブログで、ブログ小説が始められた事ですね。絶対これ一番です(^▽^)つ

2.念願のアーム型スタンドが入手できた事です。(イラスト描く時に、やはり光の強い便利なライトが必要でした。)

3.クリスマスイラストが、間に合った事(最近じゃん;)

★今年UN-HAPPYだった出来事ベスト3は?★

1.VHSビデオデッキが、壊れてしまった事です。(ろ、録画出来な    い……)

2.ハウスダストの影響で、喉の調子が変です;

3.「ゲ」で始まる某有名映画作品が、期待はずれだった事です…。

★今年一番ハマったものは?★

FC2ブログ?

★今年の自分的流行語大賞は★

パロる?

★今年やり残したことは?★

ぶっちゃけちゃいますと、「自然共存を求む者」の内容が、膨らみ過ぎました。
私の更新が遅いのが、最大の原因なのですが、年内には終わるかと計画しておりました。

★今年で卒業したいことは?★

衝動買い。
いつもいつも、欲しいッ!と言う衝動に駆られてしまう私です;
直さんとあかんね。

★今年の自分を象徴する漢字を1文字!理由も書いてください★

「遅」
いつも更新が遅く、反省しております。
やはり抱負は、更新のペースアップです♪

★『来年、私は○○になる!』○に当てはめたい言葉は?★

『来年、私はパロディーになる!』
ブログ開設当初より、遥かに頭のネジが緩んで来ております。いや、もしかしたら、違う所に刺さっているかもしれません…。

★今年お世話になった人に回してください。お疲れさまでした★

ではでは、いよいよ発表です!!

☆かんげつさん☆
☆ひづきまよさん☆
☆妙ちゃん☆
☆ひめさん☆
☆Yukaさん☆
に、引継ぎ希望です。

お忙しい様でしたら、そのまま見なかった事にして、スルーなさって下さいませ!
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長らくお待たせ致しましたですm(_ _)mペコリ
- 2006/12/23(Sat) -
[Necro Boy]2006年クリスマスイラスト


せいやっ!セイヤッ!聖夜ッ!
と、あまり寝ずにイラストを仕上げて、先程、仕上がった出来立てほやほやのクリスマスイラストが、目出度く完成致しました(>_<)bグッ!!

やはり、今年最後のイベントは、晴美ちゃん、潤子ちゃんのこのツートップで締め括りたいと思います。

長らくブログの方を留守にしてしまいまして、スミマセンでした(;;)

今までのイラストよりも、熱を入れて描いたつもりです。
もし宜しければ、ご堪能下さいませm(_ _)mペコリ!

良い夜を―――


Kikurage (^▽^)つ
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すみません、小説の更新が、滞っておりますm(_ _)mペコリ
- 2006/12/22(Fri) -
何故かと申しますと、イベント好きな私。

近づいてくる最大なイベント、クリスマス!

そのクリスマスに合わせてイラストを用意しておりましたのですが、なんと、最悪間に合わない可能性が出てきましたので、今、そのイラストを完成させる為に、時間を費やしております。

もう少々、お時間を頂きます様、宜しくお願い致しますm(_ _)mペコリ


お詫びにもなりませんが、今製作中のクリスマス用イラストカットの一部分ではありますが、ご覧下さいませ!
サンプル


Kikurage
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (47)
- 2006/12/19(Tue) -

 眼に触れるのも束の間。ゲルドリックは早々に、新たな魔導を右手に発動させる。
「ハッ!」
 腰を落とすゲルドリックは、そのまま発動させた魔導を地面へと拳を握った状態で、叩き付ける。
 ゲルドリックによって、叩き付けられた地面の部分は、魔導と同じく黒いものが渦を巻いて浸透して行く。
 ソードスパイダーの時から、予測の付かないゲルドリックの行動を見て、警戒の色を隠せなくなっているリシェットは、自然と構える。
「もう少しだけ、眼の眩んだ状態で、苦しんでもらいたいわね!」
 そう言うと、リシェットは、ゲルドリックに負けじと、両手の掌から緑白い魔導を発動させ、ある程度のエネルギーまで解放させる。
 リシェットは、魔導の発動させた両手で空中に何か形を象り始め、リシェットがその行動を終えると、薄緑の半透明なシルエットでその場に2体、獣の様な形をした物が出現した。
「………」
 ゲルドリックは、特別リシェットの出現させた物に対して目立った反応は見せなかったが、無言でリシェットの出現させた物を見る。
 もう既にゲルドリックの眼は自らの魔導の効力によって、回復していた。
 リシェットの出現させたのは、狼に似た体型をしているが、何しろ体全体が薄緑色で半透明なシルエット。影身なのである。
 その為、体を横の方向からでしか、顔の輪郭が確認出来ないのである。
「お行ィ!」
 リシェットの強く短い口調を合図に、影身の狼らしい2体が、ゲルドリックへと駆け出した。
 薄緑掛かった影身の狼達は喋れないのか、息遣いもせずゲルドリックへと向って行く。
 それと、ほぼ同時に、ゲルドリックの足元の地面が、真っ直ぐに線を引いた様にリシェットの足元まで続く、黒くて細い線が延びる。
「大地が乖離を齎す時…、裂け目から涌き立つ沼地が汚染を導く―――!」
 ゲルドリックは、微かに口ずさんだ。
 すると、地面に黒く引かれた一直線の線が、忽ちに太くなって行く。いや、黒い線が、周りの地面を取り込んていると言った表現が正しかった。
 辺りが、黒一色と染まって行く。まるで、光が存在しない暗黒の世界の様に……。
 リシェットの放った2体の影身の狼達は、影響を受けていない様子で、ゲルドリックの仕掛けた黒い地面を駆けて向かって来る。
「何んだとッ!??召喚…獣……では無いのか?」
 流石のゲルドリックも、その事実に正直驚いている。
「フフッ驚いたかしら?それは〝ガガジー〟と言って、影身のみが存在する現実世界から掛け離れた異端獣よ。いくら彼方の黒魔導でも、ガガジーを対象として効力を適用させる事は出来ない」
 大方、ゲルドリックの驚く姿を予想していた様な口振りのリシェット。
「クッ、シャドーの類(たぐい)か!厄介な獣を…」
 リシェットの言葉を聞いて、理解したのか、ゲルドリックは、舌打ちをしながら、徐にばつの悪そうな表情を浮かべた。
「そう言えば、エルフ一族で、ガガジーを知る者は昔から皆、口を揃えてこう言うわ。〝ガガジーを影と思って馬鹿にする者程、ガガジーの餌食になる〟的を得た言い伝えね!今の彼方の事を言ってるのよ!」
 リシェットは、不気味な微笑みを浮かべ語る。
 標的をゲルドリックに向けて襲って来るガガジー。
 だが、ガガジー自身、現実世界では、影身として存在していないのであれば肉体が存在しない分、逆にガガジーからしても直接的なゲルドリックに対して攻撃は不可能と言う事である。
 ゲルドリックは、ガガジーの正体が、影身と分かった時点で、それを瞬時認識し、ガガジーの出方を注意深く観察する。
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何故か笑ってしまう単語。
- 2006/12/18(Mon) -
また、久々に、日記を更新です。

船全般に携わるお仕事をしている方々には、大変失礼かと思いますので先に謝りますm(_ _)mペコリ

私は何故か、船の事故の名称の響きがどれもうけてしまいます。

「転覆」・「座礁」・「沈没」

別に船を馬鹿にしている訳ではないのです。むしろ、豪華客船とか眺めますととても優雅で、一度は乗ってみたいとさえ思います。

ですが、何となく情けない響きと申しますか、なんと言いますか説明が難しいのですが、こんな事を思うのは、私だけでしょうか?
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (46)
- 2006/12/15(Fri) -

「フフッ!私の忍ばせたカビに掛かったわね!一歩でも踏み込んだら最後。後はそのカビの毒牙に侵されるのみッ!」
 リシェットは、自信を持った強気な口調で言い放つ。
「妖精の眼暗ましは、この様に俺をカビへと嵌める為のものだったのか……」
 ゲルドリックは、未だに眼を開けず、右手で、瞼を押さえていた。
「彼方の知り合いらしい人も、このカビにやられて、あの有様よッ!だけど、彼方の場合は手加減しない。一気にカビの毒牙を受けて、身動きすら出来ない様になりなさい!」
 リシェットは、右手を人差し指だけを立てて、下から上へと空中をなぞる。
 すると、地面だけに平行して蔓延っていたカビが、瞬く間にゲルドリックの足へと上がり、うんも言わさずの速度で、膝、胴、頭まで覆い尽くし、ゲルドリックの体はカビ一色となった。
「ぬう……!?」
 カビの刺激によって、思わず苦痛の顔に歪めるゲルドリック。
 しかし、カビの体への進行は予想以上に早く、ゲルドリックの体は、既に全身麻痺に近い状態だった。
「さあ!今度こそ、たっぷりと生き地獄を味あわせてから、私が直接止めを刺してあげる!」
 大きく眼を見開いて、強調した言葉を並べた。
「セグナが足を魔導で爆破させていたのは、このカビを取り除く為だったのか……。取り敢えず、瞼を閉じていても目障りな妖精を始末させてもらう」
 全身にカビで覆われているにも関わらず、冷静な口調のゲルドリックだった。
「フンッ!減らず口を」
 リシェットは、操るカビを更にゲルドリックの体へと侵食させ始めた。
 ゲルドリックは、カビの毒牙を受けながらも、可能な限り腕を前に突き出し、突発的に魔導を発動させ、黒炎を放った。
 ゲルドリックの放った黒炎は、リシェットに向けられたと思いきや、途中で無造作に軌道を変えた。
 黒炎を放った目的はリシェットではなく、あくまで空中をスライドしている妖精達に向けられた物である。
 激しい閃光を放つ妖精は、空中を移動しなが黒炎から逃れようとするが、黒炎の無造作な軌道にタイミングをずらされ、あっと言う間にその黒炎に取り込まれ光を失って消える。
 その間にも、カビのゲルドリックに対しての侵食は進む。
「リシェット、悪いが、カビでは俺を倒す事など不可能だ!」
 確実にカビの影響で全身麻痺のはずなのだが、静かにリシェットへ告げるゲルドリック。
 それに対して、リシェットは何も言わず、唯、ゲルドリックを注意深く凝視するだけである。
「俺の使う魔導のエネルギーは、恨みや呪いと言った、憎悪のマイナスなエネルギーと言う事は知っているなリシェット!」
 ゲルドリックの体全体に覆っている灰色のカビが、所々黒く変色して行く。
「そのマイナスなエネルギーが織り成す魔導の力は、この脅威的なカビさえも朽ちさせる………」
 ゲルドリックの言葉通り、体中のカビは、独特の灰色から黒く染まり、枯れる様にパラパラと地面に落ちて行く。
 ゲルドリックは、体の体内から体全体へと魔導を開放し、カビの侵食を食い止めていたのだった。
 そして、ゲルドリックは、自分の眼を手で押さえ、その眼にも魔導を流し込んだ。  
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (45)
- 2006/12/12(Tue) -

ケンタウロスの体がうすれて行く様に、意識も又、薄れ行く中で、ケルベロスの成り行きを見守る。
 半分透けて向こう側の景色が見える自分の掌を見るケンタウロス。
 召喚される前も今も、ずっと長い間戦いの中で過ごして来た彼の手は、その半生を物語る様に、堅くごつごつとしていて、逞しい程に大きい。
 しかし、もう直ぐこの世から消えて無くなる彼の半透明具合は、逞しさとは不釣合いな程、弱々しさを感じさせていた。
 もう、起き上がる力さえ残ってはいない。ゲルベロスに吹っ飛ばされ、倒れた状態のままである。
 荒い息も段々とゆっくりなリズムになり、生命と言う力を失って行く。
 ケンタウロスは、静かに眼を瞑り、なすがままに身を委ねる。とても安らかな表情を浮かべ、形を残さず消えて行った―――。
 右手の甲に浮かんだ文字は、強い光を帯びていた所、ゲルドリックは気付き、直ぐ、ケルベロスの方向へ眼をやっていた。
「………」
 ケルベロスは、ケンタウロスの斧が胴に尽き刺さった状態で伏せているのを確認する。
 同時に、ケルベロスと争っていた存在が、姿を消している事にも気付いていた。
「成り行きは分からんが、ケルベロスの様子を見た所、〝奈落の烙印〟が壊され、奴が開放されると言う最悪な事態にはならなかった様だな!」
 その現状を見て、独り言の様に呟いた。
「余所見をしている余裕なんて、無いんじゃない?」
 ケルベロスの様子を確認していたゲルドリックの耳に、リシェットの言葉が聞こえていた。
 咄嗟に、顔を戻すゲルドリック。既にゲルドリックへ向けられたリシェットの放つキラキラと眩く光る物が視界に入った。
「グッ……!?」
 視界に入って来た物は、強い閃光を帯びた二つの光だった。堪らなく片方の腕で、視界を遮るゲルドリック。
 その二つの光は、小さく鈴の音に似た音を立てて、空中を飛んでいると言うより、一直線にスライドしながら滑走している。
「フフフッ!辺りが暗い中の妖精の閃光は、眼に答えるでしょ?」
 リシェットは、勝機を掴んだのか、笑みの表情を浮かべる。
 リシェットの言う通り、放った物は、眩いばかりの小さな掌に乗る位の大きさで、4枚の羽根を羽ばたかせる妖精が鈴の音の様な音を鳴らして飛び交っていた。
 そう、リシェットの放った妖精の光は、とても明る過ぎる位の閃光。余りにも強い光の為、少しでも視界に入れてしまうと、眼の中で光の残像が残ってしまうのだ。
 例えるならば、日中に光の強い太陽、或いは、金属を溶接する時の火花を見ているのと同じ様な物である。
「クッ、クソッ……」
 視界を完全に失ったゲルドリックは、リシェットから離れる様にして、一歩、二歩と後ろへ下がる。
 それに対してリシェットは、ゲルドリックへと前へ進む。
 眼が眩んだ事に気を取られ、どんどん後へと下がるゲルドリックは、いつの間にか、地面の感触の違いに気付いた。
「ん?何?」
 ゲルドリック自身は、辺りの様子が見えなく気付いていないが、あまり思わしくない顰めた表情を浮かべる。
 その場所は既に、灰色をしたカビが一面に広い範囲で広がった地面であった。
   
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久々のイラストです!
- 2006/12/09(Sat) -
セグナさん


簡単にですが、一枚、イラストとして、セグナさんを描かせて頂きました(^0^)/
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (44)
- 2006/12/06(Wed) -

ケルベロスの視覚、聴覚、感覚へと、確実に蓄積される問い掛け。それは、圧倒的な恐怖と言う他無い。
 しかし、それの原因を止めなければ、そう、もし開放されたのならば、本当の恐怖が確実に形として表れる。
 ケンタウロスは、何よりそれを恐れており、不吉な念を受けながらもケルベロスへと走る。
 背中から文字が浮かび上がってからずっと狂い悶える様にして発狂するケルベロス。
 涎を垂らし、体毛を逆立てて、震えながらにして何かに必死で耐えている様子である。
 ケルベロスとは無関係に、体から定期的なリズムで黒い波動が発せられていて、ケルベロスを中心に荒々しい大気が満ちている。
 時々、ケルベロスの体から、歪な形で現れる黒い影。それは、分身する様に露になるが、ケルベロスが発狂する度、その影はケルベロスの体へと消える。
 先程から、それの繰り返しで、出現する者を抑止しているのは、ケルベロス自身。だが、ケルベロスは、息が上がり、ばてている表情が、向うケンタウロスにも見て取れる。
 ケルベロスの抑止する体力も、時間の問題。
 もう既にこれは、ケンタウロスとケルベロスの戦いでは無く、不穏な念を懐く魔の出現を何所まで抑止出来るか否かに変わっている。
 亀裂が入り、破壊され様としている封印の文字。必死に出現を抑止して狂い悶えるケルベロス。
 この現状で、ケンタウロスが考える解決法は、唯一つ。
 それは、封印の文字が完全に破壊される前に、ケルベロスの息の根を止める事。それが、ケンタウロスの出した答えだった。
 ケンタウロスは、ケルベロスの胴体に狙いを定め、斧を水平に構え、走る速度を上げた。
 
 貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き貴様如き――――――
 
 ケンタウロスが、再び決意を固めると、再び邪魔する様に、魔の念がケンタウロスの精神を翻弄する。

 無力無力無力無力無力無力無力無力無力無力無力無力無力無力無力――――――
 
 斧の柄を強く握り締め、大声で気合を入れ、聞こえて来る念を掻き消す。
 
 改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ改めろ――――――
 
 魔の念を完全に遮り、狙い通りケルベロスの胴体へ、斧の柄の先端を深く突き刺した。
 ケルベロスは暴れだし、より一層苦しみ出す。
 その反動で、ケンタウロスは、大きく後へ振り飛ばされる。
 ケルベロスの呻き声と共に、唸り声が木霊する。ケルベロスに混在する魔の念を放つ者も同様に苦しみ出していた。
 その様子を確かめる様子で、眼を凝らすケンタウロスの体は、徐々に薄く透け始め、確実にその実体が失われて行く。
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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (43)
- 2006/12/04(Mon) -

「これから先は、全身全霊を持って、向わせてもらうわよ。覚悟しなさい、ゲルドリックッ!」
 リシェットは、ゲルドリックへと視線を向け、その視線が、凍り付く位ゲルドリックを刺す。
 ゲルドリックはずっと、リシェットから殺気を受けていたが、すべて受け流していた。
 しかし、今のリシェットの視線は余りにも意志が強く、ゲルドリック自身、それをヒシヒシと感じ取り、自然と半歩程、後退る。
「私は、確実に目的を果たす為、魔導、シャーマンの絶対的な力を得た。彼方に……、勝ち目は……無い!」
 一歩ずつ、ゲルドリックの方向へ歩き出し、両腕とも横へ広げ、魔導の開放を始めたリシェット。
「………分かった。今まで、不本意な意志で対抗していたが、お前がその意志を貫くなら俺もそれに従おう」
 ゲルドリックは、右手を顔の前へ横に広げ、構えを取る。ゲルドリックの体の周りには、何所からともなく、黒い魔導が溢れ出す。
 緑白に対して黒。お互いの魔導が広がり、けして混ざりある事無く、反発し合っている。
 正真正銘、2人の真の戦いが幕を開ける。
 ケルベロスの体から、不穏で不吉な空気が波動となって、辺りへと撒き散らす中、ケンタウロスは、その波動に煽られながら、ケルベロスへと突き進む。
 波動自体は、ケンタウロスにとって、大した事ではないが、波動を浴びた時にケンタウロスの体に絡み憑く、身震いする程の不快な念を感じ取れてしまうのだった。
 
 解け解け解け解け解け解け解け解け解け解け解け解け解け解け解け――――――
 
 暗示を掛けられた様に、ケンタウロスの視覚、聴覚、感覚へと流れ込む。

 封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を封印を――――――

 ケンタウロスに途切れる事無く流れ込む念は、脳裏に焼き付く。

 そしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそしてそして――――――

 心の中で、必死に念を振り払おうとするが、無残にも容赦なく纏わり付く。

 破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊破壊――――――

 切り無く永遠に繰り返されるその言葉が、ケンタウロスを蝕む。
 血走った眼で、発狂するケンタウロスは、ケルベロスへと進み、その念を振り払うかの様に斧を振り回し、少なからず抵抗を見せる。
 だが、ケルベロスに近付けば近付く程、ケンタウロスへ流れ込む言葉の念は、強くなって行く。
 ケルベロス自身もまた、苦しみだしている。ケルベロスとは別の何かが、そうさせている事は間違いないと、ケンタウロス自身も気付いている。
 それに、流れ込んで来る念に、自分の意志が負ければ、どうなってしまうのか、考えたくも無い結末が、ケンタウロスの頭を過る。
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こんばんはです!
- 2006/12/03(Sun) -
こんばんはです。

最近は、年末と言うのもありまして、何かと仕事の方が、忙しくなっており、PCの前にいる事が、極端に少なくなっている私です(;;)

その為、小説の更新や、お返事コメントが滞っておりますが、どこかで、巻き返しを図りたく思っております所存で御座います。

もう暫く、お待ち下さいませ。

Kikurage
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