スポンサーサイト
- --/--/--(--) -
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
この記事のURL | スポンサー広告 | ▲ top
鋼構造的追跡者(8)
- 2007/06/22(Fri) -

+

「これは、楽勝だな!」
 ゲルドリックは、そう言うと、木で出来た沢山の正方形の形で積まれている中から、板を一つ引き抜き、その積まれた板の上に重ねる。
「そんな安全な所ばかり選んでたら、つまらないぜゲルドリック!例えば、此処とかッ!!」
 今度は、セグナがゲルドリックと似た様な一連の動作をするが、セグナの引き抜こうとする板は、積まれている沢山の板のバランスを左右する場所らしく、セグナが動かす度に積まれている板全体が揺れている。しかし、セグナは、バランスの見ながら慎重に板を少しずつ動かし、引き抜いてみせた。
「おっ!やるなぁ!」
 それをみて、ゲルドリックは声を上げる。
「たりめぇよッ!さっ次は、お前の番だぜ」
 セグナは、慎重に引き抜いた板を丁重に上へ積み重ねる。
 すると、ゲルドリックは、顎に手を当てながら、積まれた板全体を一通り観察を始める。
ゲルドリックの視線は、上から下へとゆっくり確認する様に見下ろすと、意志が決まったのか、手が動いた。
「!!!まじで?」
 セグナは、ゲルドリックの触れた板を見て驚きの表情を浮かべる。
それもその筈。ゲルドリックの引き抜こうとしている板は、積み重ねられた板の一番したで、土台になっている部分なのだ。しかも、その部分は、既に一枚の板が引き抜かれていて、残り2本で支えられているのである。
正直、このゲームではあまり好ましい選択とは言えない事をゲルドリックは、成し遂げ様としているのだ。
既に、端の板が1本引き抜かれている為、真ん中の板を引き抜く事は、物理的に不可能。
由って、真ん中1本だけを残す以外ないのだが、それは、簡単な事では無い。
 ゲルドリックは、一回息を吸うと、そこで息を止める。
眉一つ動かさず真剣な表情で引き抜こうとする板に触れた。
これは、唯のゲームであるが、ゲルドリックの真剣な表情と、アンバランスになり掛けている積まれた板の現状が、周りの空気を張り詰めさせている。
ゲルドリックは、手で掴んでいる板をゆっくりと横へずらす。
「!!!」
 一瞬、ゲルドリックの顔が強張る。
ゲルドリックが、引き抜く為に動かした一番下の板と一緒に、積まれた板全体が一緒に動き左右に揺らぐ。
「うぉぉぉ~~ッッ!!」
 これには、思わずセグナも声を漏らす。
 何故か、一部始終を傍から見ているセグナの方が本人以上にハラハラした気持ちに駆られていた。
「こ、これは、非常に不味い!どの様にして立て直すべきか……」
 ゲルドリックは、板を掴んだ姿勢のまま、微動だにせず考える。
すると、再びゲルドリックの携帯電話が鳴り始めた。
「!」
 ゲルドリックは、右腕を動かせないままの状態で、左手を携帯電話の入っている右ポケットから起用に携帯電話を取り出し、開く。
「……晴美からのメールだな!」
 続けて、左手で起用に操作しながら届いたばかりのメールを開く。
「リック、ゴメン!限定クレープは、一人一個までしか買えないの。多分、今並んでる人達だけで、売り切れちゃうと思う。本当にゴメン!………抜かった…」
 ゲルドリックは、晴美から届いたメールの文章を読むなり軽く静止し、放心状態に陥った。
「ゲルドリック、その板は、どう考えても危険すぎるから、止めた方が……って、あああああ!」
 ガシャン!
不安定ながらも、積み上げられていたものは、セグナの言葉も待たず、無残にもビルの崩壊の様に崩れ去った。
セグナは、ゲルドリックを見て一言呟く。
「ゲルドリックよ、お前にとって限定クレープは、そんなに大事か………」
 目の前に崩れ去った板の様に、ゲルドリック自信もまた、ショックの余り、見事に崩れ去っていた。
セグナは、大きな溜め息を一つ吐き、心の中では誓う。
もう、二度とゲルドリックを部屋に入れるまいと…。
スポンサーサイト
この記事のURL | 自作小説 | CM(5) | ▲ top
庭に咲いている花・・・
- 2007/06/18(Mon) -
庭に目をやると、とても鮮やかに咲いていた幾つかの花がありましたので、紹介致します☆

アマリリス

これは、家の玄関の門の直ぐ下で咲いているアマリリスと言う花です。
アマリリスにしては、真紅の様な赤い色は珍しいです。
園芸センターや花屋さんで良く見かけるアマリリスは、白×赤だったり、ピンク色で赤のラインが入っているものが多いです。
直射日光を避けて、半日陰の場所が好ましい花だそうです!

紫陽花

こちらは、親しみのある紫陽花です。
庭の塀越しに咲いております。
家では、赤みがかった色が多いのですが、恐らく地質は酸性過多なのでしょう。
何気に紫陽花は、リトマス紙の様に根を生やした土のph(ペーハー)を量ってくれてます。
石灰でも買ってきて、土に混ぜた方が良いのかな?

バラ


こちらも、赤の強いです!バラです♪
私の部屋の窓越しに咲いておりまして、花びらの大きい種類な様です。
バラにしては、スタンダードな色ですが、とても綺麗だと私は思います(^▽^)つ
この記事のURL | 写真 | CM(6) | ▲ top
鋼構造的追跡者(7)
- 2007/06/15(Fri) -
「でもさ、学級委員の早苗ちんが、ホームルームを無いものにしてまで限定クレープの列に並ぶなんて、結構意外な事でビックリだよ!ほら、学校では、いつも何て言うか…」
「真面目で、考え方が固そう?普段のイメージからそう思われるのは仕方が無いわ。立場上は、そうするしかないの。でも、私だって、こうして羽目を外したい時だってあるのよ」
 早苗は、潤子の言おうとした言葉の続きを言い当てると、確かにと、自分で納得した様子でクスクスと口元で笑う。
「確かにそれには、私も同感に思う。でも、良かったと思う。早苗さんが親しみ易い……」
晴美が、早苗と話している途中、晴美の学生制服のスカートのポケットから、携帯電話の着信音が鳴り出した。
「えっ!メール?」
 晴美はそう言うと、ポケットから、携帯電話を取り出して、画面を開く。
「さっきのメールを読んで、思い出した。今日は限定クレープの日だった事をすっかり忘れていた。そこで頼みがあるんだけど、俺の分まで買って来て。ヨロシクって……」
メールの文章を読むなり晴美は、大きな溜め息を吐くと、返事のメールを打ち始めた。
 そうこうしている内に、お店の中から、白いコックコーにエプロンを身に纏った、お店の女性従業員が、何やら手元に紙の切れの束を持って現れる。
「あれ?あの店員さん、列に並んでる人の人数を数えてるみたいだけど……」
 最初にお店の店員の姿に気付いた潤子は、その店員の方を不安げに見つめる。
「あら、本当ね。う~ん、店員さんの手元の紙の束から察すると、整理券ね!多分、あの整理券分までしか限定クレープをお目に掛かれない様子ね…」
 早苗は、険しい表情で眼鏡の縁を人差し指で直す。
だが、直ぐにクレープ屋の店員さんが回って来て、潤子、早苗、晴美の順番で整理券を手渡され、潤子の不安は無きものとなった。
「67番目だ~!結構頑張った方だよね私達!ありゃ!?いつの間にか、列の後方は凄い人の数になってる!」
 潤子が、後を振り返ってそう口走りながら見る方向には、列の最後尾が確認出来ないほどの列が連なっていた。
晴美達が話している間にも後から人が次々に並んでいたのだった。
整理券を配るお店の店員が、最後の130枚目の整理券を列に並んでいるお客さんに手渡すと、それ以上後方に列を成している人達に対して、申し訳なさそうな表情をする。
「本日は、わざわざお並び頂いて有難うございます!ですが、今回ご用意出来ます限定クレープの方は、限りが御座いまして、勝手ながら、整理券を配られたお客様までとさせて頂きます。すみません!」
頭を何度も深々と下げ、お詫びの気持ちを込めながら謝る。
すると、整理券を貰えなかった後方の列の人達は、がっかりと残念そうに落胆の色を隠せない人や、半ばうな垂れながらふて腐れた態度を露にし、段々と連なって列を成していたものは瞬く間に無くなった。
だが、黒いビジネススーツの装いをした、少々背の高めで、金色の後髪を束ねた女性は、クレープ屋の店員の行った事を聞いていたのか、いないのか、周りの人々が去る中、腕を組みながらその場に立ち尽くす。
その女性とは、ヒラリーである。
 その立ち尽くす女性に気が付いた店員は、少し戸惑い、話し掛けようかどうか迷った様子である。それもそのはず。立ち尽くす黒いビジネススーツ姿のヒラリーは、明らかに白人なのである。
「あっ、え~と、エクスキューズミー?」
 店員は、勇気を出して、しどろもどろしながらジェスチャー混じりにヒラリーへ声を掛ける。
すると、声を掛けられたヒラリーは、店員の方を見下ろし言葉を発した。
「クレープ無くなっちゃったのね。残念だわ」
「えっ!?」
店員は、ヒラリーが普通に言葉を話せる事にビックリした様子である。
「あっ!心配しないで。言葉は分かるし、話せるから!ちょっと気になって並んだのよ。でも、売り切れみたいで、残念だわ」
 ヒラリーは、適当に店員に笑顔を見せる。
店員は、安心したのか、言葉が通じた事が分かると、笑顔を返して、お店の方へ戻って行った。
「こんな所で、並んでる所をカーソンに見られたら、彼はきっと怒るでしょうね!」
 口元に手を当てながら、クスクスと笑うと、ヒラリーは、その場を後にした。
この記事のURL | 自作小説 | CM(5) | ▲ top
Time of the photograph world (5) 木洩れ陽
- 2007/06/08(Fri) -
木洩れ陽


段々と暖かくなるこの季節は

新緑が成長を早めて

深緑へと辺りを変えて行く
この記事のURL | 写真 | CM(7) | ▲ top
鋼構造的追跡者(6)
- 2007/06/06(Wed) -

+

ゲルドリックが偶々(たまたま)訪れ、そして、晴美の住むこの町のほぼ中心に常呂沢駅が存在する。
駅を外れれば、直ぐに高い建物が無くなり、住宅地が佇んでいる。
駅前も、朝の学生やサラリーマンの通勤・通学、商店街の夕方の売り出し時、そして、夜、駅から帰宅する時間帯以外は、人通りも少なく静かであるのだが、今日に限っては、違っていた。
常呂沢駅前の商店街の一角に、普段なら有り得ない程の長蛇の列が出来ているのだ。
 そのお店の名前は、シャンスト・ロッドと言うクレープを専門に販売しているお店である。
今日はそのシャンスト・ロッド開店以来初の試みで、時間限定の特別クレープが販売されると言う事で、大変な賑わいを見せている。
お店の店長は、今日の限定クレープの売れ行きをレポートして、新商品化するかを検討する様である。
そして、シャンスト・ロッドの長蛇の列の中間辺りに、晴美と潤子と早苗の顔があった。
「うぇ~。3時前に並んだのに、こんな後だよ。私達より前には、100人位いるかな?売り切れたらどうしよう」
 潤子は、列の前方を気にしながら、背伸びしたり、横へ大きく顔を傾ける仕草を取る。
「大丈夫よ潤子。お店だって、こうなる事を予想してる筈だから、早々クレープのネタはなくならない筈よ。少しは、落ち着いたら?」
 晴美は潤子を落ち着かせる為、声を掛けるが、潤子は、あからさまに不機嫌な表情で、振り返った。
「大丈夫な保障は何所にも無いよ晴美。どれか一つでもネタが無くなったら、その時点でクレープの販売は終了してしまうシビアな世界なんだよ!」
「あのねぇ潤子。こうして列のこの位置をキープ出来たのは、誰のおかげだと思ってるの?早苗さんが、急遽ホームルームをキャンセルしてくれたおかげでしょ!」
「それは……そうなんだけど……」
 潤子は、クレープに対する過剰な程の不安感が拭えない様子だった。
「それにしても、早苗さん」
「えっ!何?晴美さん」
 直ぐ後ろに並んでいる早苗に対して、不意に晴美が声を掛けると、眼鏡を片手で直しながら、返事をする。
「幾ら、学級委員と言う立場でも、本来行わなければならないホームルームを良く行わないで済む事が出来たなぁと思ってね、実は、結構無理したんじゃないかとか考えてて、ちょっと罪悪感を感じてる部分があるの」
 晴美は、早苗がホームルームをキャンセルした事が頭を過り、早苗の表情を伺いながら話した。
「ううん、全然問題無いよ。その事は気にしないで。元々、タイミングが良かっただけだったから」
 一方の早苗は、晴美の気持ちをフォローする様に、明るく笑顔で言葉を返した。
「タイミング?」
「そう。タイミング!実はね、私達の担任は、学年主任な上に、生活指導の活動に熱心な先生でしょ。おまけに中間テストを控えているこの時期だから、仕事が山積みなの。先生だって欲を言えば、少しでも時間が欲しい筈なのよ。だから私は、私の出来る範囲で良く先生の仕事を手伝ったりしてるから、それが分かるの」
「そう!そう!おかげで私なんか、頭髪の事で再三注意されてるよ!」
 潤子は、心当たりがあるのか、担任について、同感を求める様に会話に入る。
「あなたの場合は自業自得でしょ。自分でブリーチしたり、カラー入れたりしてるんだから、注意されるのは当り前よ」
 晴美は、溜め息一つ吐いて、答える。
「この間だって、天然だって言ってんのに、ウェーブかけてるだろ?って疑われたし」
 思いっきり頬を膨らませる潤子。
「先生は、私の事を信頼してくれていると思うから、多分、私の言う事を承諾してくれると思ったの。だから私は、先生に、〝お忙しい様でしたら、帰りのホームルームを引き受けます。何か伝達事項がありましたら、クラスの皆に私から伝えます〟って言ったの」
 早苗は、再び片手で眼鏡を直す仕草をしながら言う。
「成る程ね!私は最初、お堅い先生だから、無理な様な気がしていたのよ。でも、早苗さんには、先生からの信頼があったからこそ、ホームルームを行わないで、済ませる事が可能だったのね!」
 早苗の説明で納得したのか、晴美は胸に痞えた物が無くなった様に、ホッと胸を撫で下ろした。
この記事のURL | 自作小説 | CM(3) | ▲ top
Kikurageが最近購入した物。
- 2007/06/02(Sat) -
皆さん、クロスバイクってご存知でしょうか?

ご存知な方の中には、乗っていらっしゃるかもしれませんね。

クロスバイクとは、自転車なのです。

一重に自転車と申しましても、結構な種類が御座いまして、街乗りで一般的なシティーサイクル自転車、山道や荒地に適しているマウンテンバイク、オリンピックなどの競技用にも使われているタイヤの幅が細く、車体が軽いロードレーサ(ロードバイク)、移動に便利な折り畳みの出来る自転車、BMXなどです。

その中で、私が興味を惹いたのは、クロスバイクと言う自転車で、マウンテンバイクとロードレーサーの性能を良い所取りした比較的新しいタイプの自転車です。

実は、大分前から狭山丘陵を散策している時に、多摩湖のサイクリングコースの近くを歩いている時に、クロスバイクを快適に乗ってサイクリングコースを走っている方を見かけていて、自分も乗りたいなと、少々憧れておりました(笑)

そして、遂に一昨日。
意を決して自転車屋さんで、クロスバイクを購入致しました。
と申しましても、クロスバイクに関して初心者な私は、事前にネットの評判などを参考に、数あるメーカーとクロスバイクの種類を絞って行きました。
そして、クロスバイクの入門者とコストパフォーマンスに優れていると定評のあるGIANT ESCAPE R3にしました。

自転車を買いに行ったのは良かったのですが、お店で品定めの最中、天気が大荒れで雷と土砂降りの雨に見舞われて最悪な買い物帰りでした(^^;)

これから、サイクリングロードを走りながら、乗り心地などを確かめたいと思います★
この記事のURL | 日記 | CM(8) | ▲ top
鋼構造的追跡者 (5)
- 2007/06/02(Sat) -

+

ガチャ!ガチャガチャ!
「むぅ…、んッ!?」
 ガチャガチャ!
「………おい、ゲルドリック。お前、体が動き過ぎだぞ!」
 セグナが、ドリップの終わったコーヒーメーカーの電源のスイッチを止めながらゲルドリックに対して注意する。
「クッ!今は、それ所ではない。何だとッ!?また抜かれた。この3位の奴は手強い!」
 手元にコントローラーの様な物を握り、テレビゲームなる物で悪戦苦闘しているゲルドリックは、そこにいた。
その姿を終始うんざりした様子でセグナは見ている。
この場所は、セグナの住むアパートの一室
である。
ゲルドリックの居候している晴美の家から徒歩で10分程度の距離で、然程離れていない場所であった。
 セグナは、ゲルドリックには、自分の住んでいる詳しい場所を一度も話していない筈なのに、ゲルドリックの唐突且つ強引で、不可解な訪問に対して少々理不尽さを感じながら、そんな招かざる客の為にコーヒーを淹れている始末である。
「あっ!そうだ、ミルクと砂糖も宜しく。俺は甘党だからな!」
「へいへい、承知致しやした」
 あからさまに不機嫌な顔のセグナは、そのままコーヒーをゲルドリックの所へ持って行く。
「ほれ、コーヒーだ」
「うむ。ご苦労!ん…?何だこの隣に置いてある牛乳パックは?」
「あ?ミルクだけど……」
「う~~ん……。そして、この砂糖は上白糖の様だけど、グラニュー糖とか溶け易い物ないの?」
「てめぇ!急に人ん家上がり込んで、贅沢言ってんじゃねぇよ。文句あるなら喫茶店でも言って来い!」
「君は、コーヒーの嗜みと言うものを理解してない。そんなんじゃ、社交場で恥を掻くぞ」
「俺が、そんな洒落て社交場に行く様な人間に見えるかよ!」
「う~ん………。聞いた私が馬鹿だった。すまん。許せ」
 ゲルドリックは、セグナのラフな服装を見てそう答えた。
「………」
 口には出さないが、何所と無く不満そうな顔付きであった。
その時、テーブルに置いてある黒く長方形に角張った携帯がランプの点滅と共に着信音が鳴り出した。
携帯自体は、ゲルドリックの物の様であるが、ゲルドリックは気にせず、テレビゲームの方に気を取られていた。
「おい!携帯が鳴ってるぞ。電話に出なくて良いのか?」
 セグナは、ゲルドリックが携帯電話に気が付いていないのかと思い、一応、声を掛けた。
「ああ、分かってる。大丈夫だ。この着信音は、電話じゃなくメールだ!」
 余裕な表情で、振り返るゲルトリック。
「まあ、なんだ。余計なお世話かも知れないが、幾らメールでも重要な内容と言う可能性がある。早めに確認して、返信した方が良いぞ!ってか、何で着信音が仔犬のワルツ?」
「確かにメールも大事だな。この間、晴美からその日の晩御飯の買い物の様を頼まれて、食材の書かれた紙を渡されて、近くのスーパーに買い物に行ったんだ。頼まれた食材通り買って帰った訳さ。そしたら、ほうれん草と思われるそれは、何と小松菜だったって言うんでレシート持ってもう一回スーパーへ行く羽目になって、あの時に、ちゃんと現物を写メして置けば良かったと後悔してる。なおかげで二度手間さ!」
 ゲルドリックは、そう言いながらテーブルに置いてある携帯に手を伸ばして、画面を確認する。
「いや、今の話を聞く限り、メール以前の問題の様な………。大体、スーパーなら商品名のポップがあるだろう。それ見て買えば間違え様が無いと思うが」
「何だと!?」
 ゲルドリックは、携帯の画面を見るなり、送られて来たメールの文章を目で追うと、険しい顔をし始めた。
「ど、どうした?」
 深刻そうなゲルドリックを見て、張り詰めた空気になった。
「セグナ!今、何時だ?」
「ん?3時……5分過ぎ位だな」
「しまった。今日が、〝シャンスト・ロッド〟の限定販売の日と言う事をすっかり忘れていた。何たる不覚!今から行っても間に合わないのは必至。ならば……」
 ゲルドリックは、そんな事を呟きながら、賢明に携帯のボタンを打ち送信する。
「おいッ、ゲルドリック。さっきから、時間を聞いたり、しゃんすとろっどとか、限定とか、一体何の話だ?」
 セグナには、ゲルドリックの言葉と行動が少しも理解出来なかった。
「何、少々冷や汗を掻いたが、もう大丈夫だ。」
「だから、何の話だと聞いている」
「ん?限定クレープの話だが、それが何か?」
 3秒後、ゲルドリックのこの言葉に、セグナがマジギレした事は、言うまでも無い。
この記事のURL | 自作小説 | CM(4) | ▲ top
| メイン |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。