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憧憬と情景と情緒・・・ ―私の住む町― (1)
- 2007/11/21(Wed) -
     ―私の住む町―

 6畳程の自分の部屋で、自分の机に立て肘で顔を支えながら窓の外の光景を眺めている。
こんな私の姿を傍から見たら、多分何もする事が無く、唯、ボーっと暇そうにしてるようにしか見られないと思う。本当に、自分でもそう思う。
だけど実際は、少し違う………いや、大いに違う。
何故なら、私は好きでこの様なまったりとした時間を過ごすからである。
私の目線の先には……、手前から街並み、山際、澄んだ青空と、窓からパノラマに広がっている風景。そう、決してお世辞にも都会とは言えない自然の残されたこの町が、私は非常に好きなのである。
ほんの三ヶ月前まで、東京の23区内に住んでいた都会人な私が、急にこんな辺鄙な所に引っ越したのには、ふとしたきっかけだった。

     +
以前、都内に住んでいた私は、とある会社の営業部に所属していて、たまたま私が担当する地域が、この町周辺だったのだ。
この頃の私は、まだ、都会意外に移り住むなど考えても見なく、寧ろコンビニやスーパーまでの距離が遠いと言う不便さを考えただけで、嫌気がする位だった。
そんな事を考えながら、この地区の営業をサクサクと終わらせようと家々を回っていた。 丁度、夏真っ盛りの八月で、営業周りは1時間回っただけで、もうバテ気味になりまるで地獄の様だった。
暑さで喉が渇いた私は、営業を一旦切り上げて、何所にあるとも分からない自動販売機を探し始めた。
決して、田舎では無いのだけれど、家々を通り過ぎ、幾ら探しても自動販売機は見つからないのであった。
案の定、私はその不便さと、容赦なく照りつける陽射しと熱気に、苛立ち始めた時、漸く自動販売機を見つける事が出来た。
だが、その自動販売機のある場所は、急な上り坂の登りきった所だった。
そんな、所へ自動販売機を設置した人の気が知れないと、心の中で更にイラッとさせながら、その坂道を仕方なく登って行き、やっと自動販売機までたどり着いた。
私は、肩を上下に息を切らせながら、お財布から小銭を出し自動販売機に入れて、ペットボトルのお茶を買った。
 自動販売機の直ぐ横には、横長のベンチが設置されていて、私はそこに腰を下ろす事にした。
お茶の容器のキャップを開けて、お茶を飲んでいる時、この町の風景が私の視界に入り込んできた。
 自動販売機の設置されているこの場所は、少々高台になっており、町の様子を一望出来る、ちょっとした展望台であった。
住宅地と山が良い具合のバランスで入り組んでいる光景に感動したと同時に、何故わざわざこんな高台に自動販売機を設置したのか、今になって見れば、十分納得出来る事だった。
心成しか、吹いて来る風が涼しくなり、いつの間にか、今さっきまで感じていた苛立ちは何処かへ消えていて、気持ち良い爽快感が体を支配していた。
私はこの時、日常の中で、何が大切なのかを少し感じ取れた気がした。そして同時に、、今までのライフスタイルまで見直す事にした。
 それが、此処に住む事になったきっかけである。
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