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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (50)
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- 2007/01/04(Thu) -
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4 ………静かに漂う空間。 恐らくそれは、果てしなく広いであろう、光をけして受け付けない本物の闇。 何所が上で、何所が下なのかさえ把握出来ず、前後左右の方向さえも又、分からない。 唯、時より冷たく悪寒がする程の異様な空気が流れるだけ、音も一切反響しない無音に近い空間。 その虚無な空間に、リシェットが狂い悶え、必死に何かを抵抗する様に声を荒げて足掻いていた。 「!!!!!!………、お前らに何が分かるッ…!」 当然この空間は、周りに誰が居る訳でもなく、リシェット以外の声は聞こえない。 しかし、リシェットの中の意識は、そうではなかった。 ゲルドリックの放った暗黒の土地に引き込まれてからずっと、リシェットの意識は、死者の妬みや恨みと言った憎悪と、悲しみや苦しみと言った悲痛を訴える沢山の声に苛まれている。 この空間では、混沌と彷徨う死者の憎悪や想いが異質なのではない。その者達からすれば、リシェットが余りにも異質なのだ。 その為に、死者達が異質なリシェットをこの空間と同じ様に取り込んで、死者の憎悪の一部にしようとしている。 「!!!!!!……、黙れッ!私には、果たさねばならない目的があるッ!此処で終わる訳には行かないッ」 死者達がリシェットの意識の中をうねる様に囁くのを、果たさねばならない頑ななリシェット自身の強い意識で、跳ね除ける。 しかし、この空間の中は、死者達の憎悪や想いの行き着く溜まり場所。 リシェットが頑なな意思で跳ね除けても、次から次へと惜しみ無くリシェットの意識へと流れこんで来る。 「!!!!!!…ッ」 リシェットは両手を握り締め、何も言わず堪える。 幾ら魔導使いとは言え、普通の精神の持ち主ならば、自分の意思である程度自我を保つ事は出来ても、それはいつまでも続く筈が無い。 次から次へと絶える事無く入り込んでくる死者達の憎悪の囁きに、いずれ取り込まれてしまう。 取り込まれてしまえば、憎悪や想いのみが、この空間の一部となり、それ以外は、無に帰すのだ。 そう。この空間は、行き場の無い死者達の呪いが彷徨う、まさに地獄。 蜘蛛の巣に掛かった蝶の様に…、螳螂(カマキリ)に捕まった、飛蝗(バッタ)の様に、けして逃れる事は出来ない地獄。 暫く、堪える為に体全体に入れていた力を抜き、何かを悟ったのか、ダラリと抵抗を止めた。 身を任せる様に、ダラリとした姿勢のまま眼を瞑るリシェットは、口元だけを小刻みに動かし、何かを自分に対して呟きだした。 リシェットの意識には、今も死者達の囁きが確実に流れこんで来ている。 だが、リシェット自身、それに対する抵抗は、既に止めている。 抵抗を止めて、自我が壊れ、死者達の囁きを受け入れる気になったのか。或いは、完全に無視して平然としているだけなのだろうか。どっちとも取れるリシェットの行動は、実に不可解である。 しかし、今までこの空間に入れられた者は、前者であっても、後者である事は未だかつて無い。 ゲルドリックによって、暗黒の土地の中に入れられたリシェットの様子からの始まりの第4章です。 遂に、この「自然共存を求む者」も50話を迎えました。 読み返してみると、かなり長くなっている事に気付く私でした(^^;) 後、Kikurage World [outside]の方でも、時々記事をUPしたりしてますので、気が向いた時にでも、覗いてやって下さい。 |
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