|
[Necro Boy] 自然共存を求む者 (65)
|
|
- 2007/02/25(Sun) -
|
|
「そうだ。我々の問題の背景には、魔導抗争時代がある。これは、唯の偶然か?いや、偶然なんかではない。グリーグ一族とパーン一族の間で起きた悲劇的な争いは、最初から仕組まれた事だったのだ」 ゲルドリックは、リシェットの眼を真っ直ぐに見据える。 「仕組まれた……争いですって?如何して、そう言い切れる?その根拠は、一体何?」 ゲルドリックから告げられた言葉は、眼の仇に思っているリシェットにとって信憑性の薄いもので、当然、疑い深い顔でゲルドリックを見返す。 「先ず、我々の間の争いの前に、魔導抗争が起きた発端の事は知っているとは思うが、順序に沿って話そう。魔導使いは、5大元素色、白、青、黒、赤、緑の5種類で成り立っている。白は、太陽の光や神を敬う聖域をエネルギーとする。青は、水や風から。黒は、闇や呪いから。赤は、火や活力。緑は、森や幻精霊といずれも自然を利用した力を魔導の根源とし、その魔導の力は、古くから生活の為に活用され、効率を求める為に魔導の力を高め繁栄してきた。よって、普通の人間からも重宝され、共存も可能になった。それで自然のバランスが取れていたのだ。しかし、時が経つに連れ世の中の文明が発達し、どの国も生活水準が極端に上がったせいで魔導使い達の利用価値が下がると、普通の人間からは、魔導使い達の不可思議な能力を忌み嫌う様になり、疎外する様にもなった。魔導使いは、魔導使い達だけの孤立の一途を辿る事となったのだ。そして、完全に普通の人間と魔導使いが分裂すると、魔導使い達だけの独自の世界が確立した。だが、魔導使い同士の共存は難しく、各々の魔導色によって、友好色、対抗色がある為に相性が合う合わないが存在する。相性の合わない者同士の他愛の無い言い争いから、お互いが魔導を使った激しい争いにまで発展する様にもなった。その事によって、本来あった、魔導使い達の秩序のバランスが狂い始めた訳だ。それが引金になった後、魔導抗争時代を迎えた。その最中、我々グリーグ一族とパーン一族の争いが起きた………」 魔導使いの経緯を大まかに途中まで話すと、ゲルドリックは息を吐く。 「魔導使いの経緯に関しては、聞かされずとも熟知しているわ。……けど、今の話、私達の間の争いに直接的な影響を及ぼす要因にならない」 「魔導使いとして常識的で表向きの経緯の話だけでは、お前の言う事は最もだ。だが、問題はそこではない。問題なのは、魔導抗争を意図的に引き起こされたと言う隠された事実だ」 「世界的な魔導抗争は、意図的に引き起こされた!?それは、本当なのかゲルドリック」 ゲルドリックの言葉にリシェットとセグナは反応を示し、セグナがゲルドリックに問いただす。 「ああ、本当の話だ」 「その魔導抗争を引き起こした人物は、一体誰だと言うの?」 間髪入れずにリシェットは、疑問をゲルドリックに問う。 「白魔導使い達の仕業だ」 「馬鹿なッ、白魔導使い達は、今でも神を重んじる聖職であり、伊達に白魔導士と呼ばれてはいない。争いとは程遠い立場の者達よ」 リシェットは、ゲルドリックが言う事を否定する。 「表向きは、そうかも知れない。だが奴らは、当時から密かに魔導界を牛耳ろうとしていた。魔導抗争時代を経て魔導使いの死者数は多く、個々の勢力が衰退している為、派手な争いは無くなったものの、お互いに冷戦状態が現在でも続いている中、白魔導使いの勢力だけは着実に大きくなっているのは何故だ?」 「それは……、そもそも白魔導士は、抗争自体を嫌っていたと言う説明が付くはずよ」 「此処で、我々の間の話に戻るが、本来、お前達エルフも争いを好まない平和主義の一族だよな」 「それが何?」 「ならば何故、唯でさえ白と緑は友好的な色の関係にある筈のお前達エルフと友好関係を結ばなかった?本当に平和を考えるのであれば、友好的な輪を広げる事が効率的で自然な考えであると思わないか?」 眼を細めてリシェットに問い掛ける。 「………」 ゲルドリックの問い掛けに、言葉が見つからない様子で、必死にその理由を探そうと考えるリシェット。 |
|
コメントの投稿 |
トラックバック |
|
トラックバックURL
→http://title07.blog70.fc2.com/tb.php/126-48fab887 |
|
| メイン |
|






