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鋼構造的追跡者(2)
- 2007/04/05(Thu) -
カーソンは、ヒラリーの事を気にせずビルの入り口へと歩いていると、後から、少々不機嫌な表情を浮かべるヒラリーが早歩きで追って来る。
「お待ちしておりました!カーソン様。……えー……そちらの方は……?」
 カーソンとヒラリーが、ビルの入り口に来るなり、入り口付近で立っていたスーツ姿男のが、深々と頭を下げる。
「ああ、久ぶりだな。ミスター・ニイヤマ!元気だったか?こいつは、俺のパートナーだ。心配するな」
 新井山と言う男は、カーソンとは知れた人物らしく、カーソンの方から気さくに話を掛ける。
「然様で御座いますか。これは、失礼致しました。奥の部屋で、社長がお待ちです。ささっ、どうぞ中へお入り下さいませ!」
 新井山は、ヒラリーの方へ再び頭を下げると、ビルの入り口に控えるエレベータへと、作り笑顔とさえ思える程の満面な笑みで2人を手招きし、案内する。
カーソンとヒラリーは、新井山の案内されるがまま、ビル備え付けのエレベータに乗り込むと、それを確認する新井山は、最後に乗り込んで、素早くエレベータの階層ボタン押す。

 ウイィィーン!

機械的な起動音と共に、エレベーターは、動き出し、どんどん階層が下がって行く。
流石は、80階を超える建物だけあって、エレベータ中は、優に30人は乗れるであろう広々とした造りになっている。
チィーン
丁度、70階に到達した時点で、エレベータは止まった。
すかさず新井山は、エレベータの『開』と表示してあるボタンを押す。
「さあ、どうぞ、前へお進み下さいませ」
 長年、人に接する事が体に染み付いているのか、相手を観察し、細かな所まで丁重な扱いをし、笑顔を崩さない彼は、業務な堅苦しさを感じさせない、穏やかな対応。しかも、ぎこち無さも無く、極、自然としている。
新井山に先導されながら、長い通路を2人は歩いて行くと、前方の突き当たりに一つの大きい両開きの扉が構えていた。
その大きな扉の前まで来ると、新井山は、ドアを2回ノックをする。
コン!コン!
「新井山です」
「………入れっ!」
 扉の奥から、応答する声が聞こえる。新井山は、それに応じると、ドアノブを回し、中へと入る。
「社長。お連れしました」
新井山はそう言うと、ドアを開き切り、カーソンとヒラリーの二人を部屋の中へと招く。
「どうぞ、お入り下さいませ」
 カーソンとヒラリーは、新井山と言う通りに、部屋へ入る。
 部屋の中は、とても広く、壁や棚の上などには、一般人には到底手にする事が出来ない様な絵や置物などが並んでいる。
「インディアナからだと、かなり時間が掛かったんじゃないか?しかも、ヘリへの乗り継ぎは疲れただろ?遠慮なく椅子に掛けたまえ」
 皮製のゆったりとした椅子に座っている男は、唐突に切り出す。スーツ姿ではあるものの、ネクタイはしておらず、一企業の社長と言うイメージからは、相反する様なラフさが全体的に際立っている。
「俺等は、世界中を駆け回るなんて、日常茶飯事だ。ミスター・コバヤカワ。長距離移動には、嫌でも自然と慣れるさ。唯一、俺に疲れを駆り立てるとすれば、それは、インディアナ名産のインドリンゴの木が絶えてしまうと言った忍びない事を悩む位だ」
 カーソンは、どんな所でも変らずマイペースなのだろう。両手を広げ、頭をゆっくりと左右に振った。
「ハッハッハッ!最もだ。カーソンらしい意見だな。ん?それより、そちらの綺麗なお嬢さんは、初めてお見受けするが、カーソン君のお連れさんかね?」
 小早川と言う男は、カーソンのジョークを笑い飛ばし、さっきからカーソンと一緒にいるヒラリーに眼をやる。
「ああ。こいつは、俺のパートナーだ。最近は専ら、こいつと組んで仕事をしている。不満かい?ミスター・コバヤカワ」
 カーソンは、小早川の異様な表情を見て、言葉を投げ掛ける。
「―――いや、逆だよ。こんな綺麗なお嬢さんが、カーソン君と共に仕事をしているなんて、誰も想像が付かんさ。正直驚いた。彼女も……」
 小早川は、途中まで言葉を切り出すと、ちらっと入り口の扉の前に立つ新井山に視線を移す。
「新井山。もう、下がって良い。本来の業務に就いてくれ。ご苦労だったな」
 社長である小早川の口から、そう告げられた新井山は、一度、その場に居合わせる皆に対して、深く頭を下げて、扉を閉めると同時に退出した。
「配慮せずに、ペラペラとすまんかったな。雑談は好きな方なんだ。許せ」
 バツが悪そうな表情で、頭を掻く小早川。
「なーに!気にしなさんなって。聞かれた所でどうせ、俺等のやっている事は、一般人には到底理解し得ない事だろ?それより、そろそろ本題に入って良いか?ミスター・コバヤカワ」
 カーソンのその言葉で、小早川は急に真剣な表情になり、室内の空気がガラッと変る。
 小早川は、頭を小さく上下に動かす。
「オーケッ!ヒラリー。ケースを俺に………」
 アルミ製のアタッシュケースが、ヒラリーからカーソンへと手渡された。
「今回は、こちらとしても、かなり苦戦を強いられましたが、上場の収穫です。ご確認を……」
 カーソンは、そう言うと、アタッシュケースを開けて、小早川の方に見せた。
「おぉー!!……これは、最近では稀な位の上物ではないかっ!」
 アタッシュケースの中を見るや否や、自然と顔が綻ぶ小早川。
カーソンが、小早川に見せたアタッシュケースの中には、赤、緑、青と、それぞれ神々しく光る3つの玉があった。それは、紛れも無く、魔導使いなら必ず所持している筈のポータルだった。
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コメント
-にゃにぃっ!!-
三色のポータルっ!!!
そんな物を何処で手に入れて来たんですかっ!!
こ、殺し・・・でしょうか?
はたまた臓器提供ならぬポータル提供?
闇売買・・・
なにやら不穏な空気ですね。
しかもそれをいったい何に使おうというのでしょうか?
単なるコレクターではなさそうですし・・・
裏に大きな組織の陰が見え隠れして、
それにリック達は立ち向かうことになるのだろうかと
早くもドキドキビクビクです。
2007/04/05 16:07  | URL | 楓 #u2lyCPR2[ 編集] |  ▲ top

-楓サマとバッティングしちゃうんですが・・・-
ぽ、ぽぽぽポータル・・・・・!
さっさては潤子ちゃんもかつて魔導使いだったけどこやつらに奪われたから普通の人間になっちゃったという結末では・・・・・?!(いやいやいやいやいやいやいや

潤子ちゃんには赤青緑といわずピンクのポータルを持たせてあげたい・・・・!!!

というかその前にカーソン&ヒラリーの達者な日本語にビックリですwきっと幼少時に超エリートな英才教育を受けたんですね!!!恐らく日本語だけといわず他の国の言葉もペラペラな気が・・・!!
すごいなぁ~と感心しつつ
妙でした!
2007/04/05 20:22  | URL | 妙 #-[ 編集] |  ▲ top

-えぇぇ!-
ポータル!?ポータルを売買してるんですか??><
と、いうかですよ。
ポータルを取られた人物は・・・どうなってるんでしょう@@;
これは・・・不穏な空気が漂ってきましたね・・・。
リックとカーソン達、ゆくゆくは出会いそうですね、危険な状況で!><
あぁ~まだ見ぬ先の話に、早くも心配してハラハラしております(笑)

それにしても、この小早川って男は一体何者なんだろう?

そして、やっぱりkikurageさん、今まで以上に読み易く感じるのは何故でしょう?(笑)
描写もわかりやすくて、頭にスッと入ってきます^^
とってもドキドキして楽しいです~☆
続きUP、お待ちしてます!
2007/04/05 23:46  | URL | chacha #-[ 編集] |  ▲ top

-おはようございます-
旅行から帰ってまいりました(*^^*)

な・なんとっ!
ポータルだったのですねー!!

しかし、どのようにして
ポータルを手に入れたのでしょうか…
そしてこのポータルを
何の目的で使うのでしょうか・・・

しかし「小早川」という人物。
何だか怖いですね。
何かとっても悪い予感がします・・・(ToT)
2007/04/06 07:25  | URL | 海月 #9xVGaoVI[ 編集] |  ▲ top

-みんな叫んでますが-
ポータル!ヒラリーさんが価値があるのか・・といってたアタッシュケースの中身は、ポータルだったんですね!
しかも3色・・・。
あと白と黒で、5大元素の魔導使いのポータルが揃うのでは。。。。
うわぁ、なにやら一番最初にリックがポータルをとられそうになってた場面を思い出しました。
そういえば、裏社会でコレクションにしている奴がいるっていってましたよね。
もしかして小早川がそうなのかも・・・!
続き楽しみにしています♪
2007/04/06 09:10  | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 編集] |  ▲ top

--
楓さん

こんばんはです(^0^)

実は、この二人の取引とは、ポータルの事でした。
ポータルを所持していると言う事は、少なくとも魔導使いと戦っている事になります。
リック達との関連が繋がりそうな雰囲気が色濃く出てきました。

人身売買に等しい闇の取引が、此処にあるのです。
その実体とは?
次回、さらに詳しい内容になってまいります。
新たな人物のカーソンとヒラリー。
組織をバックに行動する2人が、とても不気味なものがあります!
次回も、頑張ります(^▽^)つ♪


妙ちゃん

こんばんはです(^0^)
そうなのです!潤子ちゃんもかつて、世界で屈指の魔導使いだったんですよぅ(マジで!?

ピンクのポータル良いですね(^0^)
桜をいつでも咲かす事の出来る画期的な能力!!

カーソンとヒラリーは、インターポールの銭形警部も顔負けなぐらい世界各国を飛び回っておりますので、日本語もペラペラなのです!!
確かに、この2人は、エリートと言っても良いかも知れません。
かなりの人物ですので、注意が必要です☆


chachaさん

こんばんはです(^0^)

取引が行われている物は、なんと、ポータルでした。
行き成り衝撃的な内容で、一気に雲行きが怪しくなってきました。

魔導使いが、ポータルを取られてしまいますと、普通の人間と何ら変らなくなります。
ポータルを取られる事で、死に至る事は無いのですが、魔導使いにとって、ポータルを奪われる事は、一生の恥で、死と同じと言う考えられているようです。
リックが、以前やってしまいました(笑)

リック達とぶつかるきっかけが色濃くなってまいりました。
小早川なる人物は、表向き大企業の社長と言う肩書きで、裏では、とんでもないマネーゲームを働いている悪党な様です!
新井山は、その事を知っているのか知らないのかと言う感じですね。

えぇ!本当ですか!chachaさんに読み易いと言って頂いて、とても嬉しいです☆
そうですね。やはり私は、1から10まで全て頭の中でイメージを出し切らないと、ダメみたいですね。
「自然共存を求む者」の後半に行には、多分内容の何処かに迷いがあったのかも知れません。
自分の考えている物をストレートに表現出来れば一番良いのかもしれませんね♪
次回も、がんばります(^▽^)つ♪


海月さん

こんばんはです(^0^)

旅行から、戻られたのですね!
お疲れ様です(*^0^*)

アタッシュケースの中身は、魔導使いの必需品、ポータルだったと言う衝撃の事実。
カーソンとヒラリーの行っている仕事と言うものが、一気に見えてきました。
とても、穏やかではない中、小早川なる人物は、顔を綻ばしております。
彼等が行っている実体とは如何なものなのか?
次回、さらに詳しくなって行きます☆


Kazu osinoさん

こんばんはです(^0^)

ケースの中身は、ポータルでした。
最初の会話からすると、ヒラリーよりも、カーソンの方が、この仕事を良く知っている様です。

カーソンとヒラリーは、この様な仕事を世界各地で、行っている兵です。
5大元素!!魔導の専門用語を使って頂いて、とても嬉しいです(*^0^*)
その通りです。彼等は、様々な色のポータルを取っているようですので、魔導使いの種類は、厭わないかもしれません。

「裏社会でコレクションにしている奴がいる」そうですそうです!!小説の最初の方にチョロっと載せておりました。憶えていてくれまして、有難う御座います☆
まさに、その話になって行きます!
2007/04/07 20:39  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

-新章開始☆おめでとうございます☆-
リシェットさんが居た所為か、
自然共存を望む者は、”森”のイメージがあって、
今回は、無機質なビル群の上空を飛ぶ、ヘリ。
スタイリッシュで只者ではない匂いを漂わせる、ヒラリーとカーソンの男女の組み合わせ。
軽やかで華やかささえ感じました(^^☆

「自然共存を望む者」がワイン☆
「鋼構造的追跡者」は、シャンパンのよう☆なんて(^^ゞ

これほどに変幻自在、かつ鮮やかに世界を作り上げるkikurageさんに脱帽!といいますか、やっぱり、初っ端から惹き込まれました☆

アタッシュケースの中身がポータルとは!意外でした!
価値を深く追わない者の手から、欲する者の手へと渡る。危険!危険です!!
これからどうリックと関わってくるのか、楽しみでありまっす!!



2007/04/08 21:54  | URL | c.p #-[ 編集] |  ▲ top

--
c.pさん

おはよう御座います(^0^)/

c.pさんの仰います通りでして、「自然共存を求む者」即ち、リシェット(エルフ)は、森と密接な関係のある背景で描いておりまいた。

対して、今回の「鋼構造的追跡者」はスタートから、自然とはかけ離れた、都会的無機質且つなイメージですので、背景から、ガラッと変った形です。
まだ、あまり素性の知れない2人組みのカーソンとヒラリーですが、アタッシュケースの中にポータルと、雲行きの怪しい展開になりました。

「自然共存を望む者」→ワイン☆
「鋼構造的追跡者」→シャンパン♪
と、素敵な表現を頂きまして有難う御座いますm(_ _)mペコリ
あわわ!私には勿体無い位の褒め言葉を頂きまして、有難う御座います!!
今後の小説活動の励みとさせて下さい!

次回も頑張ります(^0^)/


2007/04/10 07:57  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top


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