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鋼構造的追跡者(6)
- 2007/06/06(Wed) -

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ゲルドリックが偶々(たまたま)訪れ、そして、晴美の住むこの町のほぼ中心に常呂沢駅が存在する。
駅を外れれば、直ぐに高い建物が無くなり、住宅地が佇んでいる。
駅前も、朝の学生やサラリーマンの通勤・通学、商店街の夕方の売り出し時、そして、夜、駅から帰宅する時間帯以外は、人通りも少なく静かであるのだが、今日に限っては、違っていた。
常呂沢駅前の商店街の一角に、普段なら有り得ない程の長蛇の列が出来ているのだ。
 そのお店の名前は、シャンスト・ロッドと言うクレープを専門に販売しているお店である。
今日はそのシャンスト・ロッド開店以来初の試みで、時間限定の特別クレープが販売されると言う事で、大変な賑わいを見せている。
お店の店長は、今日の限定クレープの売れ行きをレポートして、新商品化するかを検討する様である。
そして、シャンスト・ロッドの長蛇の列の中間辺りに、晴美と潤子と早苗の顔があった。
「うぇ~。3時前に並んだのに、こんな後だよ。私達より前には、100人位いるかな?売り切れたらどうしよう」
 潤子は、列の前方を気にしながら、背伸びしたり、横へ大きく顔を傾ける仕草を取る。
「大丈夫よ潤子。お店だって、こうなる事を予想してる筈だから、早々クレープのネタはなくならない筈よ。少しは、落ち着いたら?」
 晴美は潤子を落ち着かせる為、声を掛けるが、潤子は、あからさまに不機嫌な表情で、振り返った。
「大丈夫な保障は何所にも無いよ晴美。どれか一つでもネタが無くなったら、その時点でクレープの販売は終了してしまうシビアな世界なんだよ!」
「あのねぇ潤子。こうして列のこの位置をキープ出来たのは、誰のおかげだと思ってるの?早苗さんが、急遽ホームルームをキャンセルしてくれたおかげでしょ!」
「それは……そうなんだけど……」
 潤子は、クレープに対する過剰な程の不安感が拭えない様子だった。
「それにしても、早苗さん」
「えっ!何?晴美さん」
 直ぐ後ろに並んでいる早苗に対して、不意に晴美が声を掛けると、眼鏡を片手で直しながら、返事をする。
「幾ら、学級委員と言う立場でも、本来行わなければならないホームルームを良く行わないで済む事が出来たなぁと思ってね、実は、結構無理したんじゃないかとか考えてて、ちょっと罪悪感を感じてる部分があるの」
 晴美は、早苗がホームルームをキャンセルした事が頭を過り、早苗の表情を伺いながら話した。
「ううん、全然問題無いよ。その事は気にしないで。元々、タイミングが良かっただけだったから」
 一方の早苗は、晴美の気持ちをフォローする様に、明るく笑顔で言葉を返した。
「タイミング?」
「そう。タイミング!実はね、私達の担任は、学年主任な上に、生活指導の活動に熱心な先生でしょ。おまけに中間テストを控えているこの時期だから、仕事が山積みなの。先生だって欲を言えば、少しでも時間が欲しい筈なのよ。だから私は、私の出来る範囲で良く先生の仕事を手伝ったりしてるから、それが分かるの」
「そう!そう!おかげで私なんか、頭髪の事で再三注意されてるよ!」
 潤子は、心当たりがあるのか、担任について、同感を求める様に会話に入る。
「あなたの場合は自業自得でしょ。自分でブリーチしたり、カラー入れたりしてるんだから、注意されるのは当り前よ」
 晴美は、溜め息一つ吐いて、答える。
「この間だって、天然だって言ってんのに、ウェーブかけてるだろ?って疑われたし」
 思いっきり頬を膨らませる潤子。
「先生は、私の事を信頼してくれていると思うから、多分、私の言う事を承諾してくれると思ったの。だから私は、先生に、〝お忙しい様でしたら、帰りのホームルームを引き受けます。何か伝達事項がありましたら、クラスの皆に私から伝えます〟って言ったの」
 早苗は、再び片手で眼鏡を直す仕草をしながら言う。
「成る程ね!私は最初、お堅い先生だから、無理な様な気がしていたのよ。でも、早苗さんには、先生からの信頼があったからこそ、ホームルームを行わないで、済ませる事が可能だったのね!」
 早苗の説明で納得したのか、晴美は胸に痞えた物が無くなった様に、ホッと胸を撫で下ろした。
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コメント
-おはようございます-
クレープ
凄い行列みたいですねー!
どんなクレープか私も食べてみたいです(≧▽≦)

潤子ちゃんのハラハラが
伝わってきました。
せっかく並んだのに売り切れだったら
ショックですよね~(ToT)

早苗ちゃん、先生から
かなりの信頼があるのですね^^
2007/06/07 06:39  | URL | 海月 #9xVGaoVI[ 編集] |  ▲ top

--
わぁぁ・・・クレープ食べたくなってきました☆学校帰りによく食べてたなぁ・・・
ひょっとして、リックやリシェが並んでないですかね??それとも何かクレープ屋に秘密があるのかしら。それにしても早苗ちゃん、やるじゃん。
2007/06/07 13:12  | URL | 茉莉 #-[ 編集] |  ▲ top

--
海月さん

こんばんはです(^^)

駅前のクレープ屋は、有り得ない程の行列を作っております(笑)
果たして、限定とは、どの様なクレープなのか?
次に公開したいと思います☆

限定のクレープの暗示に囚われております潤子。
自分が買えるのか、早くも気になっている模様です。
寸前で、売切れたりして(^^;)

今回は、ホームルームを行わないで済んだ理由を早苗が語りました。
彼女曰く、全てがタイミングだそうです。


茉莉さん

茉莉さんも、今回のお話の様に、クレープ屋さんでクレープを買っていらしたのですね!
クレープと申しましても、種類が沢山ございますよね。
リックは、超甘党で、スイーツ好きですので、並ぶ可能性は大です。
しかし、リックが先ほど晴美にメールを返信した内容文が気になる所ですね(^^)

新キャラ早苗ちゃん、物事の先を見越しての行動です。
賢いかもしれません!!
2007/06/07 22:16  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top


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