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鋼構造的追跡者(11)
- 2008/11/21(Fri) -

     3


 日は、沈み、すっかりと辺りは暗くなり始めた頃、ゲルドリックは、一人で路地を歩いていた。
 しかし、何所と無く希薄とも取れる釈然としない態度。
 溜め息一つ出そうなぐらい、足取りも重かった。
「くっ!セグナに、あんな得意分野があったとは……」
 ゲルドリックは、そう呟くと、悔しそうに顔を顰める。
「ベーゴマと言うものは、実に難しいな。あの鉄製の駒に紐を巻いて回転させるだけだが、実に奥が深い。糸や紐を使わせれば、セグナの方が勝るのも無理は無いか!」
 手を顎に当てながら、その場に立ち止まり、物事を振り返る様に独り言を始めている。
 ゲルドリックは、セグナの家で勝手に遊ぶだけ遊んだ末に、偶然セグナの部屋で鉄製の駒、いわゆるベーゴマの駒を見つけたのだ。
 そこで、そのベーゴマの駒に興味の湧いたゲルドリックは、ベーゴマの駒をどの様に使うのかセグナに問い質し、セグナが、実際に見本を見せた流れで、ベーゴマの勝負に行き着いたのである。
 だが、元々糸の使い手であるセグナは、当然、紐の扱いも、お手の物である上に、熟練したベーゴマのテクニックも持ち合せていた為、一勝も出来ず、五十八回も負けてしまったのだった。
 ゲルドリックとしても、負ける事は目に見えていた事で覚悟は承知の上だったのだが、セグナに対して一勝も出来なかった事に対して、悔しさを露にしていた。
「次にセグナと勝負する時の為に、ベーゴマのコツと言う物を掴んで置くとしよう」
 頷きながら自分自身の悔しさを自分で自分を宥める様に言い聞かせ、握り締めていた拳の力を抜いた。
 ゲルドリックは、顎に手を当てたまま再び歩き始めると、今度は、また別の事を考えているのか、真剣な表情で思考を回らせる。
「ホワイト……、いや、イカスミ……、ん~~、タラコも~……」
 単語を呟いては、立ち止まり、不服そうに首を横に振りながら、また歩き出す。
 そんな動作を何度か繰り返すと、何か閃いた様な表情を浮かべた。
「そうだ!麺をフィットチーネにして、普通のミートスパゲティーにしよう!」
 そう言って、一人で頷いたゲルドリックは、すぐさまズボンのポケットから携帯電話を取り出して、電話を掛け始めた。
電話越しに鳴り響く単調な呼び出し音が、5コール目を鳴らす途中で電話は繋がった。
「もしもし晴美……今、電話大丈夫か……うん。晴美は今、何所に居る?……成る程。帰りの途中なのだな。晴美が歩いてる所の近くにスーパーはあるか?……おっ!本当か!なら、悪いが買い物を頼まれてくれないか?……うん。今晩の夕食に、ミートスパゲティーを作ろうかと思うのだが、普通のパスタでは、ミートソースが絡まないので、フィットチーネと言う平打ち状のパスタで作ってみようかと思っているのだ。確か、ミートソースの缶詰は、家にストックしてあったと思うから買わなくても良いが、フィットチーネを買って来てもらいたい。……そうか!有難う!助かるよ。…うん。俺も帰ってる途中だから……うん。では、後で…」
 直ぐに電話を切り、携帯電話をズボンのポケットに戻す。
「さて、家に戻るとするか!」
 ゲルドリックは、そう言うと、軽快な足取りで歩き始め、家に向う。
 ゲルドリックの歩いている路地は、暗く、狭く、人通りも少ない。
 しかし、ゲルドリックは、人目の付き難いこの様な通りを敢えて選んでいるのだった。
 ゲルドリックの格好は黒いバンダナに黒いマント。
 人通りの多い所を歩いただけで目立ち、不審に思われる事この上ないのだ。
 ゲルドリックの歩く細い路地はやがて、二方向に分かれる分岐した道にぶつかる。
片方は、直ぐ大きい表通りに出る道と、もう片方は、暗く細い道が更に続いていた。
ゲルドリックは、迷わず大きい通りを避ける様にして、狭い路地の方へと歩き出した。
 だが実は、ゲルドリックが選択した道は、家に向う道としては遠回りで、ゲルドリック自身、
それは承知の上だった。
 遠回りをした分だけ、家に着くまでの距離と時間が掛かってしまうのだが、人目につくよりは、断然にリスクが軽いのだ。
 それでも、裏路地とはいえ、ゲルドリックの歩いている所が道である以上、人が通る可能性は、否定出来ない。
用心しながら先へと進んで行こうとした瞬間、ゲルドリックは足を止めた。
「ん………!?」
気を付けていなければ、気が付かない程の微妙な違和感に襲われたゲルドリック。
「この感覚は……!」
 ゲルドリックは、その場から2、3歩後へ下がる。
 気配を察知しようと、神経を集中していた為、運良く気が付く事が出来たゲルドリックだったが、険しい表情を崩さず、その場でピタリと静止したまま。
「魔導の結界とは…、油断したな……」
 更に表情を険しくさせるゲルドリックは、自らも魔導を解き放ち、マントからケルベロスを出すと、徐にケルベロスの上に跨り、建物の壁を蔦って上って行く。
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コメント
-こんばんは-
久しぶりのゲルドリックの登場に
思わず興奮してしまいました!
セグナとも仲良く遊んでいて
しかも遊んでいたのが「ベーゴマ」というのが
ゲルドリックらしくてクスッと笑ってしまいました^^
晴美ちゃんとも仲良くって嬉しかったです!
パスタが食べたくなったりして^^;

今後、どのような展開になっていくのか?
とても楽しみです(*^^*)
2008/11/22 01:13  | URL | 海月 #9xVGaoVI[ 編集] |  ▲ top

--
海月さん

こんばんはです(^0^)

早速、コメント書いて下さいまして、ありがとう御座いますm(_ _)m

本当に久々(一年四ヶ月ぶり)の[NecroBoy]更新です★
ゲルドリックは、相変わらずお茶目な一面を見せております(笑)
今回のゲルドリックの料理は、イタリアンですね!!
文章を打っていて、自分自身も食べたくなってしまいました(*^^*)

後半は、行き成り急展開の流れになりました。
この後、どうなるのか?
次回のお楽しみです☆
2008/11/22 03:14  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

-お久しぶりです!-
うひゃひゃ~!リックにセグナ!おひさしぶり~!!
遊んでいたのが古風なベーゴマっていうのがいいですね。そりゃ確かにセグナは強いわ。リック、あきらめなさい・・・で、懲りずにやるのがリックですよね。

でもなんでそこまでしてバンダナで顔を隠すんだろう・・・?それもまた何かあるんでしょうね?気になるところです。

さてさて、また新たに何かの気配を察したリック・・・これからの展開が楽しみです!!
私は1.1ミリの細いパスタが好きです。ピエトロのスパゲッティドレッシング(略してスパドレ)ごま醤油ガーリックが好物です。
2008/11/22 23:53  | URL | 茉莉 #-[ 編集] |  ▲ top

--
茉莉さん

こんばんは。お久しぶりです(^0^)♪

早速、コメントを有難う御座いますm(_ _)m

お元気でしたか?
本当に久々の[NecroBoy]を更新致しました★
久々過ぎて、キャラクターが、懐かしく思えるぐらいです(笑)

ゲルドリックは、セグナと「ベーゴマ」勝負をしたようで、一回もセグナに勝てなかった事が、とても悔しい様です(^^;)
しかし、ゲルドリックも負けず嫌い上、凝り性な所があるので、極めたら強くなると思います(笑)


ゲルドリックは、登場した当初から顔にはバンダナをしていて、顔上半分を人に曝した事がありませんが、本人にとっても、とても重要な事名のかも知れません。


夕飯の献立を考えながら、帰り道の選択、敵らしき気配を感じたり、忙しいゲルドリックです☆


ピエトロのスパゲッティドレッシングのごま醤油ガーリック!!
とても美味しそうなパスタですね(^▽^)つ
茉莉さんは、細麺派なんですね!!
もちろん、細麺も私は好きです☆
2008/11/24 01:18  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top


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