|
[Necro Boy] 高所の徘徊者 (11)
|
|
- 2006/07/05(Wed) -
|
|
鎧を着た戦士は自前の剣を振り、武道家は人体の急所を目掛けて攻撃する。 彼らは、常人離れした動きを展開。しかし、セグナの動きは、死霊達より勝っていた。 戦士の豪腕かつ迅速な太刀筋をしっかりと見切ってかわし、武道家の正確な突きや蹴りをことごとく防ぐ。 あまつさえ、セグナはただ相手の攻撃をかわしてるのでは無く、死霊の一体一体に糸を絡ませて、動きを封じている。 死霊とは言え、元々生前に厳しい鍛錬を積み重ねたであろう達人達を、あっさり捕らえてしまう所を見ると、死霊達とセグナでは戦いすら成らない絶対的な差があった。 「侮るなと、言ったはずだ。中途半端な攻撃は、俺には通用しない」 自信に満ちた言葉を発すると、セグナは、右手を持ち上げて軽くパチッと指を鳴らす。 セグナによって、縛られた死霊達に巻かれた糸がゲルドリックの時と同様に、激しく発火した。 セグナの背後で、炎とともに死霊達が煙となって消えてゆく。 そして、セグナは、出方を窺う目線で、ゲルドリックを直視する。 途端に、ゲルドリックは、真上に高く飛び跳ねた。 「逃がすか!」 叫ぶのと同時に腰に下げた糸の束をゲルドリック目掛けて投げ付ける。 束になった糸は、空中で四方八方に広がり、大きな網になってゲルドリックを覆い、セグナが糸を引っ張るとゲルドリックは、そのまま地面に叩き付けられた。それはまるで、漁師が魚を地引網で引っ張る様な形となった。 「捕まえたぜ。呆気無かったな。もっと良い動きすると期待したんだが……、ちと買被りすぎたか」 覆われた糸の中でもがくゲルドリック。 「無駄だぜ。魔導を通したこの網に捕らわれたら、どんな奴でも絶対に逃れられない」 糸に再度、魔導を送り込みゲルドリックをじわじわと締め付ける。 「あああああぁぁ〜〜!」 鈍い苦痛の叫びがビルの屋上に木霊する。 「悪いが、決着を着けさせてもらう。魔導の使い手とはなかなか巡り合う事が無かったから、楽しかったぜ。じゃあな!」 言葉を呟いて、セグナは糸から手を離す。 ゲルドリックは、網状の糸に縛られたまま、あっという間に炎に包まれた。 その光景を、唯、無言で見詰めているセグナ。相手が魔導の使い手の敵と言え、根本的に人間であるのは事実。しかしまた、魔導の使い手を仕留めずに逃したとすると、自分が狙われる立場になる可能性が大きいのも、また事実であった。 「――――――」 一見、冷酷そうなセグナは、眉間にしわを寄せて複雑な表情を浮かべる。 だが、それも一瞬の事。直に意を決した頑なな表情に変わる。 目的を果たさなければ成らない何がある様な力強い瞳をしていた。 |
|
コメントの投稿 |
トラックバック |
|
トラックバックURL
→http://title07.blog70.fc2.com/tb.php/18-65fc7a07 |
|
| メイン |
|







