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[Necro Boy] 高所の徘徊者 (14)
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- 2006/07/11(Tue) -
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+ 辺りに聳え立つ夜の摩天楼を上空から移動する影が二つ。 セグナをゲルドリックが追う様な形で着いていく。 晴美は、セグナに捕らわれていると言う恐怖と、高さの有る空中での移動の恐怖が合わさって、唯、震えるだけで動きようが無い。 セグナは、晴美を抱えながら自前の糸を所々ビルの絡め安い部分に引っ掛け、ターザンの要領で移動する。それに対してゲルドリックは、ビルからビルへ飛び移る時、着地する度に顔を歪ませている。 ゲルドリックの場合、距離のある移動は、決まってケルベロスを用いる。それは、ゲルドリック自身の体力と魔導エネルギー消費の温存を優先させて時に、効率の良い方法なのだが、セグナの糸により魔導エネルギーを制限された状態では、皆無なのである。したがって、魔導エネルギーの使えないゲルドリックは、普通の人間と変わらなく、尚且つ、ビルから隣のビルへ飛び移るだけでも体に負担を掛けてしまい困難を極めたうえに、苦痛を強いられていたのだった。 移動を始めてから十五分が経過。 最初に居た街からすっかり離れ、隣の街へ入っていた。この街は、さきほどの街の静けさの有る様子とは違い、騒がしさがあった。 ビル群の下には、普段のこの時間ならば、車しか通らないであろう道路は、お神輿を担ぎながら、鉢巻と半被姿の人々で溢れている。 セグナは後ろを振り返り、ゲルドリックへ向けて叫ぶ。 「貴様は此処で待ってろ、ゲルドリック!」 そう告げて、セグナは、反対方向の同じ位の建物へ移動する。 ゲルドリックは、指定された場所に着くと、負担を掛けてしまっている足を手で押さえた状態で待機する。 セグナの方も、反対側に着くと、晴美を下ろし、糸を解いて開放する。 「おい、娘。お前は、此処で夜景の見物でもしてろ」 そのセグナの意外な言葉と行動が、晴美には理解が出来なくて、えっ?と、びっくりしてしまった。晴美はてっきり、自分が人質になるのだとばかり思っていたからである。 その為、未だに恐怖で涙目では有るが、ゲルドリックの敵であるセグナに震えながら質問する晴美。 「―――貴方は、一体、何をしようとしているの?」 「あ?」 睨み、ぶっきらぼうに応対するセグナだが、直ぐに言葉を続けた。 「俺と奴とでは、魔導の熟練度が違う。単純に魔導だけで言えば、奴の方が上だ」 晴美の反応を窺わずに、セグナは、更に続ける。 「それに、今まで相手にした事が無い、黒い魔導の使い手。―――と言った所で、お前には何の事かさっぱり分からないだろがな。俺は、俺のやり方で奴と全力で戦う。その為に、お前を縛って人質の真似事をしてまで、この場所に奴を誘導させた。それだけだ」 晴美は、とにかくゲルドリックが心配になり、向かい側のゲルドリックの方向を涙目で見つめる。 セグナは、それ以上話す事が無くなったのか、突然、ビルの前方へ大きくジャンプする。しかし、そのまま下の地面へ落ちてしまうと思われたセグナは、何故か空中で静止した状態で平然としてその場に立つ。 晴美は、その光景をまるで、イリュージョンショーを見ているかの如く、口を両手で押さえびっくりする。 ゲルドリックの右腕に巻かれた糸が解ける。これは、セグナからの再戦の合図だった。 |
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