|
[Necro Boy] 高所の徘徊者 (20)
|
|
- 2006/07/25(Tue) -
|
|
4 ―――白く朧げな眩い光。 ―――鼻が麻痺する様な刺し込んで来る香り。 ゆっくりと、眼を開け、ベッドから身を起こす。 男は、自分の身形と周りの状況を交互に眼で追う。 体には、胸腹部を中心に包帯が巻かれていて、周りは、殺風景だが物が無い為、整っている。 「あ?何でだ?俺は、一体………」 言葉を呟くと、軽くこめかみあたりに鋭い痛みが奔る。 「ツッ……!」 男は、手で押さえた。 そんな時、丁度。白衣を着た女の人が男に気づいたのか、近寄る。 「意識が戻られたのですね。ご気分は如何ですか?」 看護士と思われる女性の問い掛けに、男は質問で返した。 「俺は、何故此処に居る?答えろ!」 看護士は、えっ?とビックリして、男の威圧に圧倒されたのか、少し身を引いた。 「あっ、悪りい。怒鳴っちまった」 男は、看護士の反応を見て、視線を逸らし謝る。 「あっ、いえ、良いんです。ビックリしただけですから」 看護士は、そう言うと、続けて話し始めた。 「昨日、十時頃だったかしら。彼方を担いで、慌ててこの病院に駆け込んで来た人が来てねぇ。その人がいきなり、こいつを手当てしてやってくれ。何て言い出して、ビックリしましてねぇ」 「それで?」 男は、相づちを交わす。 「顔には、仮面みたいな物を被ってたし、凄く警戒したんだけど、彼方は関係者ですか?と質問したら、劇団員です。そいつは、舞台から落っこちました。て言ってましたよ。その事を聞いて、舞台の途中で舞台衣装を着たまま慌てて来たんだって思って、ほっとしたんですけどねぇ。でもその人、公演の練習が控えてますので、それじゃ!て、彼方を担架に乗せたまま、足早に出て行ってしまったんです。彼方の身元を聞こうと思ったのに」 看護士の言葉の最後の方は、不機嫌に文句じみていた。 看護士は、はっ、と気づいた様に、人差し指を立てて男へ質問した。 「身元不明で、分からなかったので、名前を聞いても宜しいですか?」 男は終始、頭を押さえながら発する。 「セグナだ!」 |
|
コメントの投稿 |
トラックバック |
|
トラックバックURL
→http://title07.blog70.fc2.com/tb.php/29-63c48cf5 |
|
| メイン |
|






