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[Necro Boy] 番外編 ~excess short story~ 1
- 2006/08/02(Wed) -
 キ~ンコ~ンカ~ンコ~~ン!
 今日の最後の授業終了の合図と共に、周りの生徒は、どっと安堵の気持ちで落ち着いているが、私はその逆で、その合図と共に緊張感がこみ上げてきて、心臓の鼓動が速くなっていた。
 私の名前は、笹倉晴美。
 何故私が、この様な状況に陥ってしまったかと言うと、原因は、隣のクラスの私の親友とも言える、椎凪(しいなぎ)潤子のせい……いや、正確には、先日、潤子からのお祭りのお誘いメールを、すっぽかした……いや、もとい。ある事情でメールを返せなかった事にある。
 後日、素直にその事をメールでお詫びの内容を潤子に送った所、うん。大丈夫だよ。気にして無いから。また、誘うね。と言うメールが返って来たのだ。
 一見、普通の返事に見える文章だが、私は彼女との付き合いが長い為、直ぐに悟る物があった。
 文章に、絵文字が一つも無いのだ。
 彼女は、必ず文章の語尾に絵文字を付ける性格で、絵文字を付け忘れると言う事は、まず有り得ないのだ。
 もし、絵文字を入れないとすれば、それは彼女自身が怒ってる時に他ならない。
 そう言う理由で、私は潤子と出会い頭に、どんな風に突っ込まれるか正直怖く、緊張している。
 しかも、潤子は今日、学校に来ていない。機嫌の悪い時は、学校を休む事が多い。 
 しかし、あの潤子の事だから、平気で校内をうろついているとも限らない。非常にまずい。
 私は、終わりのホームルームが行われている内に、急いで教科書、参考書、筆記用具などを鞄の中へ仕舞い、いつでも素早く帰れる準備をした。
「………うむ。明日の連絡事項は、以上だ。日直さん。号令を頼む」
 先生のお話も終わり、後は号令だけ。
「起立。礼。」
 全員が、有難う御座いました。と揃えて頭を下げる。私もそれに合わせるが、少しフライング気味にその場を離れた。
 自分のクラスのドアに背中をピッタリ付けて、外の廊下を注意深く左右振り向きながら、潤子が居ないか観察する。
 周りから見たその光景は、おそらく刑事ドラマのワンシーンを想わせる様な、格好であろうか。
「晴美!何してるの?」
 私は、思わず肩をビクつかせ、背後で呼び掛けられて驚いてしまった。
 咄嗟に、呼び掛けられた方向へ振り向く。
「ビックリしたぁ~。ゆいちゃんだったんだ」
 良く考えると、流石の潤子も、クラスい居る訳が無い。
「???」
 ゆいちゃんは、私の直ぐ隣の席で、クラスの中では、割と仲の良い方である。しかし彼女は、私の取っている行動が理解出来ない様で、不思議な顔で私を見ている。
「あっ、うんとね、今蜂が跳んでたみたいだったから、避けてたの」
「えっ!?蜂!何処何処?」
 自分の身の回りに、蜂が居ないかと気にし始めたゆいちゃんだった。
「ゆいちゃん。大丈夫。蜂は向こうの方に行ったみたい」
 咄嗟に嘘を付いた私も罪悪感を感じて、廊下の窓の方に指を指して、ゆいちゃんを安心させる。
「はぁ~。良かったぁ~」
 ゆいちゃんは、溜め息をして、終始安心した顔をしている。
 そんな、ゆいちゃんを見て私は安らいでいる場合では無かった。
「私、今急いでるから。また明日ね!」
 私は、ゆいちゃんに手を振りながら、その場を後にした。

 3階から1階へと、階段を一気に下りきって、すぐさま下駄箱まで移動。
 教室から出て、此処までの移動時間、約五十秒。今は、どうでも良いけど、おそらく自己ベストである。
 自分の下駄箱に上履きを置いて、靴を出し、そしてそれを素早く履く。
 後は、昇降口を出て、正門まで走るだけである。あそこまで出れば、流石に潤子が学校に居たとしても、私をまだ学校に居ると思って、見付けられない筈………
「よし!急ごう!」
 私は、自分に発破を掛ける様に呟いた。
 一気に、清々しい午後の風と陽射しを浴びながら正門まで駆け出す。
 後、20メートル、15、10、5………
「はぁ、はぁ、はぁ、やっと正門を越えたぁ~!」
 何となく達成感が有った。
「うん。お疲れぇ~!」
「ありがとぉ~って、……あれ?潤子?」
 正門の入り口の柱に背中を預ける潤子がそこに居る。
 嫌な罪悪感と緊張感が頂点に達した。
「晴美ぃ~~~、あんたは、あまい。この私から逃れようなんて、あま過ぎる!」
 腕を組みながら、何かを感じ取った様に頷く潤子。
「やっぱり、あまいわよ晴美。しかも晴美の行動は、予想通りだったし」
「まさか、校門で待ち伏せてるとは………」
 私は、授業が終わって今までの行動が無駄だったと頭で理解した途端、どっと力が抜けて、膝と手のひらを地面に着ける。
「そんな、晴美のあまい所を見れたので、これから、私と一緒に、甘い物食べに行こう!」
 出た!潤子の十八番、甘い物。
 潤子は、私以上に甘い物には目が無く、別腹とも言うのだろうか、とにかく良く食べる。って言うか、私の財布の中身の危機!
「潤子。私、家にかえっ……」
「よし!行こう~~~!」
 私の言葉が潤子の掛け声に掻き消された。ついでに、私の腕まで引っ張ってるし。
 そんな潤子の強制的な行動に逆らえず、私も一緒に、行く事に……いや、連行させる事になった。

                 +

 あれやこれや潤子と会話する事、十五分。
 気が付けば、目の前は、商店街の一角、潤子と私の行き付けのクレープ屋の前。
「ついたぁ~」
 潤子は、とても嬉しそう。そんな潤子の笑顔を見るのが、私は好きだったりする。
「晴美!ジャ~ンケ~ンポイ!」
 潤子の咄嗟な掛け声に、つい、手が動いてしまう。
 私は、パーで、潤子は、チョキ。私の負けである。
「晴美ぃ~。いつも最初にパーを出す癖、直さないと、いつまでも私に勝てないよ」
 潤子の言う通り、私は意識してないのに、何故か、パーを出す癖が有るのである。
「で、このジャンケンは、何の意味が有るの?」
 私は、素朴な疑問を潤子にぶつけてみた。
「奢り決定~~!」
 満面な笑みを浮べる潤子だった。
「そんなぁ~」
「良いじゃない。これで、ボイコットの件は、チャラにしてあげるんだから」
「ボイコットって人聞きの悪い。全然違うじゃない!」
「私が誘って、返事無しにすっぽかされたの初めてだったし~~、何よりショックだった」
「う、うん。ごめん。ちゃんと反省してる。でも、あの時は、色々事情があって……」
「事情……?あっ、まさか、晴美あんた!」
 潤子は、私に顔を近付ける。
「えっ、潤子。何?」
 私は、何か嫌な予感がした。
「男でしょ?」
 出た!潤子の十八番、男話し。
 私は、何故か男と聞いてリックが頭に浮んでしまった。
 そんな関係じゃないのに、意識すると、ちょっと顔が熱くなって来た。まずい。
「晴美ぃ~、何で顔背けるの。目が泳いでるし!」
「ほ、本当にそんなんじゃないから。第一、仮にそうだとしても、私が潤子に隠すわけ無いでしょ!」
 精一杯の言い訳をしてみる。
「あ~や~し~い~」
 ニヤつきながら私に言う。
 ええい、最後の手段!
「あっ、それ以上疑うとクレープ奢らなぁ~い」
「えっ!嫌だ。もう問い詰めないから、それだけは許して!」
 男の話より甘い物の方が大事らしい……。でも、おかげで助かった。
「店長スペシャルくださ~い!」
 このクレープ屋、メニューには無い、お得意様の為だけに存在するものがあった。それは、イチゴ、バナナ、ミカン、他にも色々と具が入っている。店長自ら作ると言う特注品。
 値段も、普通の3倍!
「潤子~~~、何頼んでるのよ!私はてっきり普通のかと………」
「えっ?もう頼んじゃったよ!」
 そんな笑顔で言われても……
 めでたく、特注品の店長スペシャルは潤子の手に納まった。
 
               +

 私と、潤子はクレープを食べ終わり、そのまま帰る事にした。
 帰り道、不意に、潤子から言葉を切り出す。
「ねぇ、友達ってどう言う事なのかな?」
「何よ。行き成り」
「私さ、人懐っこい性格でしょ。だから、学校で色んな人と親しく話すじゃん!」
「そうね。潤子は、フレンドリーだもんね。自分には無い部分だから、羨ましいよ」
「でもさ、他の人と話すと、大概その人に合わせちゃうから、疲れちゃったりするんだよね。それってさ、うわべだけで、本当の友達とは違う気がするんだ」
 そんな、何処か寂しげな様子の潤子を見るのは、珍しいと言うより、初めての事かもしれない。
「本当に、どうしたの?急に」
 私は、少し心配になった。
「ん?別にどうもしないよ。だって目の前に、一緒に笑ったり、喧嘩したり、泣いたり、励まし合ったり出来る、本当の自分の気持ちをぶつけ合える友達が居るんだから」

「えっ!?」

「―――晴美。私達、これからもずっと、親友だよ!」

 潤子は、左手で、ピースのポーズを取り、少し笑う。
 私は、潤子に対して、嬉しさのあまり、満面な笑みを浮かべ、一言だけ返事をする。

「うん!」









小話を読んで頂きまして有難う御座います(^0^)/

最近なんですが、ブロードバンドの変更とかで、なかなかUPする時間がありませんでした。申し訳ありませんm(_ _)mペコリ

今回は、ちょっと、一風変わった小話です。
あくまで、晴美の視点での話です。

なかなか、本編では出せない潤子ちゃんも出してみました♪

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コメント
--
晴美ちゃん・・・潤子ちゃんには弱い!?と思ってしまいました(^-^)でもお互いいい友達なんですね・・・ほのぼのしてしまいました(^-^)ラストの絵も可愛くて締めには最高!女キャラって難しくて会話とかに悩んでしまうのですがkikurageさんのこの女の子達がホント少女って感じで好感持てました★
2006/08/02 22:52  | URL | ひづきまよ #-[ 編集] |  ▲ top

--
奢り・咄嗟・流石・此処・懐っこい・大概・筈
・読みにくいよ~。ふり仮名かひらがなにしたほうが・・・・(゜д゜*)

今日もぽちっと押した。

そいじゃあ、また来まうす♪
2006/08/02 23:52  | URL | ジャンボ #-[ 編集] |  ▲ top

--
ひづきまよさん

今回は、[Necro Boy]のイメージから、外れて、晴美ちゃんの、日常の一部を、小話にしてみました。
私的にも潤子ちゃんを登場させたかったので、このような形になりました。

そうですね。今回の登場人物が女の子だけだったので、会話の言葉に注意しながら、手掛けました。実際に難しかったので何回か手直ししました(^^;)


ジャンボさん

ご訪問と、コメントと、ポチッと有難う御座います(^0^)/

奢り(おごり)咄嗟(とっさ)流石(さすが)
此処(ここ)懐っこい(なつっこい)
大概(たいがい)筈(はず)
ですね。
そうですね・・振り仮名の件、検討させて頂きます(^^;)

2006/08/03 05:40  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

-おはようございます-
おはようございます(*^ワ^*)
今日から暑くなりそうですね~^^;

この子が潤子ちゃんなのですね(*^^*)
可愛いですね~
これでは潤子ちゃんの笑顔にやられてしまう
晴美ちゃんの気持ちもわかります(*^^*)

この2人は何処までいっても
良い友達でいられるような気がします。

晴美ちゃん視点の小説。
面白かったです(*^ワ^*)
2006/08/03 09:04  | URL | かんげつ #-[ 編集] |  ▲ top

--
魔導士から離れたいつもの世界ですね。
友人の無理矢理に連れまわされてしまう晴美ちゃんの姿にちょっと笑ってしまいました^^
2006/08/03 12:43  | URL | ☆浪鬼☆ #-[ 編集] |  ▲ top

--
かんげつさん

こんばんはです(^0^)/
確かに今日は暑くてバテそうでした(^^;)

今回は、晴美の日常をピックアップしてみました。
そうですね。晴美ちゃんは、潤子ちゃんに敵わないと言った感じですが、実は仲がとても良いのです(^0^)


浪鬼さん

そうですね。本来の殺伐とした空気のシーンではなく、ほのぼのとした晴美ちゃんの日常でをストーリー仕立てにして見ました。

もう、ほとんど、潤子ちゃんのペースですね!


2006/08/03 20:39  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

--
こんばんは☆
夜分のポチ!に参上です。

番外編のホッとする雰囲気いいですね~。
本編とのメリハリが利いていて面白いです。店長スペシャルをペロッと平らげても、潤子ちゃんは、華奢で可愛い~!!

晴美ちゃんと潤子ちゃんのツーショットイラストも見てみたいです☆
2006/08/03 23:04  | URL | あきらら #-[ 編集] |  ▲ top

--
あきららさん

こんばんはです♪

ポチッと有難う御座います。感謝です^0^/

今回は、番外編でして、サブキャラ的な、潤子ちゃんを出してみました。
潤子ちゃんは、御茶目街道まっしぐらな感じです~!
店長スペシャルが普通の3倍の値段と言う事は、量も凄いですね。一つ1000円位でしょうか・・・(笑)

是非、いつかツーショットを手掛けたいと思います!
2006/08/04 03:25  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

-番外編だぁ♪-
男でしょ? でリックが頭に浮かぶなんて
 ̄ω ̄〃 ウフフ
なんだか親友っていいなぁ。学生の頃を思い出しちゃいましたよ♪
ん~スペシャルクレープ私も食べたい!!
2006/08/04 13:48  | URL | アポロ #-[ 編集] |  ▲ top

--
アポロさん

そうですね。今思いますと、この頃が初々しいと感じますね。
和気藹々として微笑ましくおもえます(*^0^*)

このスペシャルクレープは、パフェの中身をそのままクレープ生地に包んだ様なボリュームですね(笑)
2006/08/04 19:02  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

--
あぅ~~ww潤子チャン(〃▽〃)キャッ
ほんと、なんかいつも強がってる?というか男言葉な彼女の最後のセリフには・・・・・!!

キュン!です、キュン!!!!!
しかも潤子チャンが可愛いときた!!ビンゴです!!番外編でも潤子チャンが見れて良かったです!ふふ
2006/08/04 23:05  | URL | 妙 #-[ 編集] |  ▲ top

--
妙さん

本編で、なかなか絡めずらいポジションの潤子ちゃんです!
ですので今回、UP出来た事に嬉しく思います。
キュンと感じて頂きまして有難う御座います
(*^0^*)
また、何処かで出したいなと思うキャラクターです。
いずれ、時間が有りましたら、描き下ろししてみようかと思います♪
2006/08/05 04:48  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top


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