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[Necro Boy] 自然共存を求む者 (30)
- 2006/10/19(Thu) -

ゲルドリックは、リシェットの立ち位置から、10メートル位離れた場所で、足を止めた。
 すると、深い溜め息を吐きながら、あからさまに苛立っている様子のリシェットを真っ直ぐ見る。
「リシェット!……待たせたな」
 ゲルドリックは、平生とした態度で、短く告げた。
「ええ、貴方達パーン一族を平伏す為、その恨みを心の内に潜ませながら、只管に魔導の鍛錬を積んで、長い間この時を待っていたわ!」
 リシェットの表情は、さっきまでの怒り狂いそうなものとは違い、相手を見透かすかの様な瞳をしていて、無表情に近い。その無表情さが、危険とも感じさせる程だ。セグナと対峙した時とは、雰囲気が完全に違っていた。
「………リシェットよ、確かに我々には、間違いで引き起こされた、けして消える事の無い蟠りを抱えている。お前の気持ちも分かるが、戦いと言う解決法は、あまり望ましく無い様に思える」
 ゲルドリックは、あくまで冷静に淡々と語る。
「フン!何を言うかと思ったら、貴方達パーン一族がしてきた事が、間違いですって?ふざけないでほしいわね!間違いで済まされる問題では無い事位、貴方だって、分かっているはずよ。くだらない言動で、時間稼ぎしようとしても無駄よ。いい加減、覚悟を決めなさい!」
 ゲルドリックの言葉が感に触ったのか、右手から、大量の魔導を発動させるリシェットだった。
「やはりか……。お前らエルフ一族……いや、グリーグ一族は、肝心な所を、間違った認識をしている。グリーグ一族を大量に死者を出したのは、我々パーン一族の責任。唯、こちら側としてみれば、お前らが襲ってきた事に、止む終えず抵抗しただけだ!しかし、決死の覚悟で来られては、こちらの身が危うい為、そうするしかなかったのだ。それに、事の発端は、白魔導使いの連中の出任せと聞く。おかしいと思わないのか?」
 代々パーン一族に語り告げられていた事を、必死にリシェットへ話すゲルドリック。
「違う!白魔導使い達は、我々に対して密かに、パーン一族の企みを教えてくれた人物だ。パーン一族が、エルフ族と共存共栄を共にしたのは、エルフを黒魔導の実験に使う為。最初から自分達の手駒にして、乗っ取るつもりだったとね。事実、我々グリーグ一族の数名が行方不明。そして、あの悲惨な出来事の日、パーン一族の屋敷へと押し入った時に、我々の行方不明になった仲間の死体が発見されたと、先代から聞かされた。白魔導使い達の言う通りだったわ」
「何だとッ!!?奴らは、そこまで裏打ちしていたのか……。良いか、リシェットよ!我々を邪魔に思っていた白魔導使い達が、全部、密かに企てた事だ!共存共栄を共にした目的は一つ。我々の居住区から、普通の人間達を遠ざける為。エルフ族達が、深い森の土地を提供する代わりに、我々は、エルフの住処である森一帯に、膨大な黒い霧を張った。それが始まりのはずだ!」
「今更、偽善者ぶったって、何も変わらない……。白魔導使い達同様、我々も、貴方達パーン一族が邪魔な存在。だから貴方は、此処で死んでもらうわ。それが、亡くなった者達へのせめてもの償い。もう、話す事は何も無いわ―――――」
 リシェットは、そう言うと、口を閉ざし、それ以上ゲルドリックと会話を拒んだ。リシェットの冷たい眼線だけが、ゲルドリックを捉える。
「リシェット………。結局は、戦うしかないのだな………」
 眼を細め、自分にしか聞こえない程に、小さく呟く。
 リシェットは、自分の周りに回っている文字の一部を、左手で掴み、そのまま地面へと落とした。
 リシェットによって、掴まれた文字化した魔導は、強い光を放つと、一匹の蜘蛛が現れる。
 しかしそれは、タランチュラ位の大きさで、戦わせる召喚獣としては、あまりにも小さい。そこで、右手に発動させた魔導を、その蜘蛛へ振り掛けるリシェットだった。
 リシェットの魔導を浴びた蜘蛛は、物凄い速さで、何倍、いや、何十倍にも大きく成長させる。
 その大きさは既に、人間の丈を超えて、大蜘蛛へと変貌させたのだった。
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コメント
--
あわわわ・・・リシェさん怖いです~
無表情に近いってホント怖いですよ・・・・

そして!大蜘蛛はリック氏をどうするつもりなのか?!そのときリック氏は何を思いつくのか?!

kikurageサマの頭の中は常人とは思えないほどのアイディアに満ち溢れてらっしゃるので毎回毎回「あーそっかー」って思うばかりです!
リック・・・・がんばって!そしてリシェさんを抑えて!(誰だよ
妙でした~
2006/10/19 07:24  | URL | 妙 #-[ 編集] |  ▲ top

-おはようございます-
今朝も寒い朝ですよね。
でも昼間は、まだ日差しがキツイですよね^^;

リシェットさん・・
リックの説得もダメでしたね・・

本当に怒った人は無表情になると
聞いた事があります。
感情を一切、捨ててしまうと・・・

きっとリシェットさんもそうなのですね・・

でも、大蜘蛛なのですねー!!
私なら・・・
バンザイの格好で逃げそうです^^;
リック!辛いだろうけど
頑張れっ!!
2006/10/19 08:27  | URL | かんげつ #-[ 編集] |  ▲ top

--
kikurageさん、お早うございます。
リシェットさん、リックの話少し聞いてくれてる・・・と思ったけれど、やっぱり聞く耳持たずでしたね。
ここは一つ、リックに頑張ってもらって、動けなくなるくらい痛めつけ・・←非道

リシェットさん以上に、白魔導使い達の陰謀が気になります。

大蜘蛛召喚・・・。全速力で逃げます!
次回楽しみにまた来ます♪
2006/10/19 08:41  | URL | kazu osino #7av6LuR2[ 編集] |  ▲ top

-おはよう御座います(^▽^)つ♪-
妙さん

リシェットは、怒りを通り越して、危ない雰囲気をかもし出しております。恨みは、本当に怖いですね(ブルブル;

そして、召喚魔術を得意とするリシェットは、召喚獣の大放出です。今回は、蜘蛛、蜘蛛と申しましても、リシェットの事ですから唯の蜘蛛ではないようです・・・。

いえいえ、私の頭の中は、常にパロっております。あまりに酷い時は、一人笑いをする事も屡です(怖ッ!

リックは既に正念場ですね。

次回も頑張ります(^▽^)つ


かんげつさん

朝は、寒かったです(>_<)
お昼から夕方にかけて、ぽかぽかと転寝してしまいそうな陽気です!

やはり、初っ端からの説得は失敗に終わりましたね。

内容が内容なだけに、直ぐには信じてもらえないですし、理解を得られなかったようです。リックとしては、覚悟はありましたが、不本意な戦いですね。

今回のリシェットの出し物は、大蜘蛛です。
之もまた、奇怪な召喚獣です。

声援有難う御座います。リックも、懸命に頑張ってくれる事を祈りましょう!


kazu osinoさん

kazu osinoさん、おはよう御座います(^0^)
行き成りの説得は難しかったようです(^^;)リックの話を真に受けないと言った感じでしょうか。
そうですね。こうなりましたら、強引にでも、説得にあたるしかありません。リックはそのチャンスえを伺うつもりなのかも知れませんね。

本当に矛先を向けなければ成らない相手は、白魔導使いの連中達です。
まだ、見えないヴェールに閉ざされております彼らの存在。
今後、徐々に明らかにしていきたいと思います♪

大蜘蛛・・・、本当に襲ってきましたら、私の場合、殺虫剤を噴射します(笑)

次回も頑張ります!!
2006/10/19 10:07  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

--
こんばんはです☆
本当に憎むべき相手は白魔導使いなのに(>_<)かたくなになっているリシェットさん、でもそのかたくなさの裏に、憎悪に変わるくらいの深い悲しみがあることを思ったら、リシェさんが何だかかわいそうになってきます。

リックの一人呟いた言葉も切ない(/_;)

でっかい蜘蛛は怖いけど、あきらら、この場に留まり、二人を見守ります!
2006/10/21 00:12  | URL | あきらら #-[ 編集] |  ▲ top

--
Kikurageさん、こんにちは♪♪
リックの説得はむなしく、エルフのリシェットさんたちの誤解は解けないのですね。
白魔導使いのねらいはなんでしょう。
次回も楽しみにしてますね。
ランキングポチっとしておきました(*^^*)
2006/10/21 11:45  | URL | Yuka #gK54MRCE[ 編集] |  ▲ top

--
あきららさん

こんばんはです(^0^)

そうです。すべて、かつての白魔導使いの仕業です。リシェットも、一族の面子を賭けて挑んでおりますので、相当に手強いはずです。
一方、リックは、お互いの血族の為にも、誤解を解き、昔の様な関係を取り戻したい気持ちで、出来るだけ無意味な争いは避けたい所です。

今回は、蜘蛛です。なかなかすばしっこく、ジャンプ力もありそうな相手に、ゲルドリックはどの様な対抗作戦にでるのかですね(^0^)


Yukaさん

Yukaさん、こんばんはです(^0^)

一応に説得を試みたゲルドリックでしたが、やはり失敗に終わりました。
半ば、ゲルドリックも予想していた様で、こうなっては、戦いを避けざる終えない状況です。
根本的に、白魔導使いの仕業です。リシェットの間違った認識を早めに正したい所ですね。

ランキングボタンを押して頂きまして、有難う御座いますm(_ _)mペコリ
大変感謝しております♪
2006/10/22 03:10  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

-お久しぶりです★-
リシェットさんは物凄く意志が強い人なのですね・・・セリフの端々に強いものを感じてしまいました(^-^)
行き違いでこうなるのはどこの世界でも一緒なんだなあと・・・分かり合える時がくるのかなあと思いつつ決着はどうなるのか気になります~!
どうなるのだろう・・・(泣)どっちかがが倒れるのを待つしかないのでしょうか・・・
2006/10/22 17:01  | URL | ひづきまよ #-[ 編集] |  ▲ top

--
コメント遅れました;;

一番気になっていたパーン一族とグリーグ一族の関係が明らかになりましたね^^
白魔導使いもとことん悪…って感じですね…
リシェットとゲルドリックの戦いも始まってしまい、悲しい戦いと言った感じです。

久々にコメント頂きありがとうございました^^
また、こちらにも来て頂ければ幸いです^^
2006/10/22 23:21  | URL | ☆浪鬼☆ #-[ 編集] |  ▲ top

--
ひづきまよさん

お久しぶりです(^0^)
血族を賭けた戦いなので、ここぞとばかりに、ゲルドリックへ対して、恨みの篭った意思表示をしております。

行き違いでの不祥事は、世界で、沢山あると思います。しかし、誤解を解き、解決しない限り、何事も先へは進みませんよね(^_^)

結局は、戦う事になってしまいました。
でも、ゲルドリックは、説得をあきらめてはいないようです。

次回も頑張ります(^▽^)つ


浪鬼さん

いえいえ、コメントを頂けるだけで、大変嬉しく思います。
私の方こそ、最近あまりコメントをお返し出来なくて、すみませんです(;;)

元々は、お互いが得意とする物で、貢献し合い、お互いを外敵から身を守る為、営んで来ました。
しかし、予期せぬ白魔導使いの介入で、今までの関係をめちゃくちゃにされてしまいました。

完全に白魔導使いの策略ですが、リシェットを含めたグリーグ一族は、そこに気付いておりません。

ゲルドリックは、苦しい立場ですが、何とか誤解を解いてもらいたいです。

是非、又そちらにも、お伺いさせて頂きます。
2006/10/23 23:21  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

-こんばんわ^^-
セグナとリシェットの戦い、途中挿絵もありつつで凄く迫力ありました!
ケンタウロスとドワーフゴブリンの戦闘シーンは本当に事細かく描かれていて、もう読んでる側からハラハラドキドキ><
心臓がいくつあっても足りません~~(笑)

それにしてもリシェット・・・なかなか手強いですね!@@;
セグナもかなり苦戦していたし・・・
ゲルドリック、大丈夫かな;;
しかもリシェット!誤解してるよ!!><
もう彼女を止めることが出来るのは、ゲルドリックだけ、ということになりますね!
でも、リシェットも誤解さえ解ければ最強の味方になると思うから・・・
何とか誤解を解くんだ!頑張れリック!!^^
2007/01/28 21:12  | URL | chacha #-[ 編集] |  ▲ top

--
chachaさん

こんばんはです(^0^)/

かなり張り詰めたケンタウロスとドワーフゴブリンの戦い。
お互いに鎬を削って、激しい争いを繰り広げました♪

そんな中、セグナは、リシェットとの対決で、足にカビを受けながら、土壇場で、己の魔導を仕掛けておりました。
これには、リシェットも予想外でした。
それでも、リシェットは十分強いです。
リシェットと言う強敵を前に、ゲルドリックは、どう戦うのか?
必見です(笑)

リックの応援して頂きまして、感謝しております~★
2007/01/29 23:24  | URL | Kikurage #-[ 編集] |  ▲ top

--
リシェットさんたちエルフ族は、かつてバーン一族と戦った、と言う過去があったのですね。
そしてこのストーリーを読んでいると、僕はゲルドリックさんとリシェットさんが、かつて恋愛関係にあったのではないか・・・と思えてきましたが
真相はどうなのでしょうか?
次回の展開に期待します
2007/04/02 16:21  | URL | 要 #-[ 編集] |  ▲ top


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